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朝ドラ『あさが来た』に観る“女の幸せ”くらべ

朝ドラ『あさが来た』に観る“女の幸せ”くらべ

内藤みかの恋活NEWSウォッチ【12回目】

NHK連続テレビ小説『あさが来た』が人気だ。前作の『まれ』を上回る視聴率で、11月20日には、ついに番組最高の25%を記録した。幕末から明治への激動期を生き抜く女性起業家がヒロインという、朝ドラらしからぬダイナミックな設定も人気の一因だろうけれど、ヒロインあさとその姉のはつ、2人の女性の生きかたを比べ、女の幸せについてあれこれ考えるのも楽しいのではないだろうか。

■激動の時代を生きる女の姿

 

『ヨコハマ物語』という大和和紀さんが描いたマンガがある。『あさが来た』と同じく、明治時代を強く生きる女性がヒロインだ。マンガでは商家の娘である派手なタイプの万里子と、田舎出身で地味なタイプの卯野という対照的な2人の恋物語が展開されていく。愛する男と運命を共にすることで、外国に旅をすることになったり、時には命に関わるような事態が起きたり。自由に恋愛することがなかなかできなった時代の中で、自分の想いに正直に生きようとした彼女たちに引きずられるようにして一気に読める作品だ。

 

派手で気高い万里子の恋のお相手は、貿易商の竜助。荒っぽくて口が悪く、なかなかスマートな愛情表現をしてくれない。地味でしっかりものの卯野は、医学を志す森太郎に恋をするが、彼は他の女性のことで頭がいっぱいで、卯野を妹のようにしか見てくれない。2人の恋模様は、当時の社会情勢と同じように、めまぐるしく変化していき、目が離せない。ひとりの女として、自分の人生を自分のものとしてとらえ、自分らしく生きていく。僅かなチャンスに必死にしがみつき、真っ直ぐに生きようとする彼女らの姿は、現代を生きる私にも響くものがあった。『あさが来た』にも、これに近い引き込まれ感がある。

 

■夫によって変わる女の運命

 

明治の頃は、まだまだ結婚相手を自分で自由に選べるような時代ではなかった。『あさが来た』のあさ(波瑠)と、姉のはつ(宮﨑あおい)も、親が決めた相手のところに嫁ぐことになる。あさの相手は「わて、お面だけはよろしおますやろ」と自ら言ってしまうほどのイケメンで大らかな新次郎(玉木宏)。そしてはつの相手は、目つきが悪く、貧乏揺すりばかりしているどこか陰気な惣兵衛(柄本佑)。対照的な2人の男を並べられると、視聴者としては「どちらの男と暮らすほうが幸せなのだろう?」とついつい、考えてしまう。

 

新次郎はイケメンだけにモテるので、他の女性とも親しく、朝帰りするなんてこともしばしば。カッコよくて優しいけれど、仕事をやる気がなく、あさが彼の代理に立ち回らなくてはならない。対して惣兵衛のほうは、無愛想なので女性が寄り着かないから浮気の心配はなさそうなのだけれど、打たれ弱く、身重のはつを置いてどこかに出て行ってしまう。でも2人とも肝心な時には思い切り優しいのだから、本当にズルい。結局、最終的に愛を感じられれば、女は全て許せてしまえるのかもしれない。

 

■男の愛しかた、いろいろ

 

活発なあさと、控えめなはつ。対照的な姉妹なので、妻としての在りようも違う。あさのほうは、夫の代わりにどんどん先に立って物事を進めていくタイプ。時に突っ走って夫を心配させ、そしていつのまにか巻き込み、夫までもが前向きに生きるようになっていく。対してはつは、ひたすらに待つタイプ。夫がつれなくても、いなくなってしまっても、じっと耐え忍ぶ、古いタイプの女性である。でも、だからこそ、そんなはつを、夫も決して見捨てたりはしない。待っていてくれる彼女のもとへと、必ず帰って来てくれるのだ。

 

どの愛しかたが良い、というわけではない。引っ張ってくれる女性のほうを好む男性もいれば、待っていてくれる人のほうを愛おしく思う男性もいる。相手をみて臨機応変に対応できればそれにこしたことはないけれど、結局のところ、どちらの夫婦にも根底に流れているものは、相手への信頼なのだ。夫を信じているからこそ男勝りに外に飛び出して行けるのだし、夫を信じているからこそ、気丈にいつまでも待ち続けられる。『あさが来た』を観ながら、自分はあさとはつ、どちらの愛しかたに近いのだろうと考えるのも、このドラマの楽しみかたのひとつなのだと思う。

 

連載 内藤みかの恋活NEWSウォッチ

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    ライタープロフィール

    内藤みか

    ないとう みか

    作家/脚本家/イケメン評論家。山梨県出身。
    『イケメンと恋ができる38のルール』(ベストセラーズ)、『年下オトコ×年上オンナ』(ゴマブックス)など著書80冊以上。
    ラジオドラマ脚本『婚活バスは、ふるさとへ』(YBS)で文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。
    舞台脚本『男おいらん』はマンガ化や小説化も。イケメン電子写真集『Japanese Hot Guys』ではカメラも。
    「内藤みかのイケメンブログ」

    http://ameblo.jp/micanaitoh/

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