桃井かおりさんが63歳で結婚。中高年婚は今後増える!?

内藤みかの恋活NEWSウォッチ【第８回】

女優の桃井かおりさんが63歳で結婚した。お相手は2歳年上のバツイチの音楽プロデューサー。なんと初対面は9歳で、お互いに初恋の相手だったのだというから、ロマンティックなお話だ。すでに事実婚状態だったと言われる彼女が結婚を決意した理由はいったい何だったのだろう。実は近年、50代過ぎの初婚は増えているという。

■節目が背中を押すことも

国立社会保障・人口問題研究所の人口統計数によると、女性の50代以降の婚姻数は、微増もしくは横ばいだ。たとえば初婚年齢が60～64歳で2000年に172人、2015年でも173人という感じだ。けれど男性を見ると、明らかに増えている。たとえば60～64歳での初婚人数は、2000年には218人だったが2015年にはなんと3倍以上の677人に膨れあがっている。60代や70代で初婚する男性も年々増加している。

芸能界でも50代過ぎの初婚が増えている。歌手の岩崎良美さんは50歳で3歳年上の医師と、女優の夏木マリさんも59歳で1歳年上のパーカッショニストと結婚した。また、岩崎良美さんのお姉さんの岩崎宏美さんも、再婚だけれど50歳の時に10歳年下の俳優と入籍している。その時に「節目の年に、これからの人生をともに歩いていこうと話し合いました」と発表している。夏木マリさんも60歳になる前だし、もしかしたら節目を意識したのかもしれない。

■50代を過ぎての結婚の意味

何年か前まで、多くの女性にとっての節目は、30歳だった。「大台に達する前に結婚したい」と、20代での結婚を望む人が随分いたものである。その少し前は「クリスマスケーキ」といって、24歳で結婚したがる人も多かった。実は私、クリスマスケーキの24歳で結婚したのだけれど、周囲はまだまだ遊びたい友達ばかりで、かなりの早婚で、驚かれた。私の周りで大卒で早々に結婚したのは、できちゃった婚の人が多く、私もそのひとりだった。

私の結婚は、妊娠がきっかけだった。けれど、50を過ぎての結婚は、年齢的に妊娠がきっかけになるということは、考えづらい。だとしたら、前述の節目以外、何がきっかけになるのだろう。私自身離婚し、もうすぐ四捨五入すれば年齢が50となるので、なんとなくわかる。「ひとりで老後を過ごしたくない」のだろう。私の周りにも、40を過ぎてもずっと独身のまま、楽しく遊んできた人が何人もいる。彼らは「老後は誰かと一緒がいい」と言うのだ。もう今まで充分ひとりを楽しんだ。老後は誰かと一緒のほうが安心だし、楽しいと思う、と。

■相手との絶妙な距離感

若いうちは、１人のほうが何かと都合が良いことも多い。自由に恋愛もできるし、思い切り仕事に打ち込むこともできる。好きなものを食べ、気の合う仲間達と集い、そして行きたい場所に旅をする。誰に遠慮をすることもなく、思い切り人生を楽しむことができるのだ。しかし、人生の折り返し地点を過ぎると、楽しいだけの気持ちに揺らぎが出てくる人もいる。次第に衰えてくる肉体に不安を感じ、いざという時に孤独死しないためにも、誰かと一緒に暮らしたいと思い始めた人は多い。

50代を迎えると、いろいろ経験してきたからこそ、相手の立場を尊重することもできるようになるのだろう。もう自分のペースが出来上がっているだろうから、結婚はうまくいかないのでは……と考える人もいるようだけれど、若い頃にはできなかった「相手に干渉しすぎない」ということができるようになる人が多いため、自分は自分、相手は相手という程良い距離感を保つことができるのだろう。今後もなお、中高年婚は増えていく気がする。私もまたいつか結婚したいけれど、私に似合うドレスはあるのかがちょっと心配である。今後は中高年でも似合うウェディングドレスのニーズも高まるといいな、と思っている。

（文・内藤みか）