いまの「お似合いカップル」条件とは？恋愛における男女の釣り合いについて、ドラマ『SUITS/スーツ２』に学ぶ

ドラマに学ぶ恋愛テクニック【第８８回】

恋愛する男女はいつだってシーソーゲーム。今時、家柄が釣り合わずに結ばれないカップルは皆無ですが、本人達の釣り合いが取れないと、交際が続かなかったり、結婚に至らないのは今も昔も変わりません。そこで、令和時代に必要な男女の釣り合いについて、ドラマ『SUITS/スーツ２』に学びます。

ドラマ【SUITS/スーツ２】

全米の大ヒットドラマ「SUITS」の日本版リメイクのセカンドシーズン。勝利の為なら手段を選ばない敏腕弁護士・甲斐正午（織田裕二）と、頭脳明晰なアソシエイト・鈴木大輔が、様々な訴訟を解決していく痛快・弁護士ドラマです。

見た目の釣り合いの重要性

法律事務所内での恋愛が実り、晴れて恋人同士になったアソシエイトの鈴木大輔（中島裕翔）と、パラリーガルの聖澤真琴（新木優子）。二人共、長身でスタイルがいいので、横に並んでいるだけで格好良く、外見的にはとても釣り合いがとれているカップルと言えます。

10～20代は、この『見た目』の釣り合いが重視されます。学生時代に、異性にモテる男女や、盛り上げ役の男女が、同じ役回り同士で仲良くなるのと同じで、社内恋愛のように、同じ属性の男女の場合には、外見の釣り合いがとれていることが多いものです。

一方で、属性が違う男女の場合は、外見の釣り合いはそれほど重視されません。生きてきた環境やバックグラウンドが違う為、外見以外の部分に魅力を感じたり、惹かれたりすることが多くなるからです。よって、外見に自信がある方は、身近な人の中でお相手を探し、外見に自信がない人は、別の場所で相手を探すことが、恋人候補に出会いやすいと言えます。

有能な男性が、女性に求める釣り合い

やっと恋が成就して、カップルになった大輔と真琴ですが、なんと大輔から別れを告げます。建て前は『仕事と恋愛を区別したい』というものですが、真琴は『釣り合わないって、はっきり言えばいいでしょ』と捨て台詞を吐いて立ち去ります。真琴は、頭脳明晰な大輔と、弁護士を目指したけれど、ロースクール受験に失敗して、パラリーガルをやっている自分とでは、『能力』が釣り合わないと考えたのです。大輔はパラリーガルとしての真琴を心から尊敬していますし、自分より真琴が能力が低いとか、そんなことは考えていませんでしたが、真琴はコンプレックスが強いが故に、自分を卑下してしまったのでした。真琴に限らず、人間は誰しも、自分が叶わない相手に憧れ、強く惹かれますが、同時にそれは、自分のコンプレックスを常に突き付けられることになります。しかし、それを乗り越えていくことが、恋に落ちた者に課された試練でもあり、それこそが恋愛の醍醐味とも言えるのです。

昔と違って、『自分より能力が低い女性を選び、優位に立ちたい』と考える男性は減りましたが、かといって女性が高い能力を兼ね添えていることを求める男性も増えてはいません。令和時代の優秀な男性がパートナーに求めているのは、『同じ目線で、同じ世界を見ることができる女性』です。同じ職場だから、同じ商品知識があるということではなく、相手の立場を推し量り、夢や苦悩を察する能力に長けた賢さがあるという意味で、それは好奇心を持って毎日を過ごし、他人を思いやりながら生きているかが、問われているとも言えます。

最も大切な釣り合い

容姿の釣り合い、能力の釣り合い、家柄の釣り合いと、世の中には様々な釣り合いがありますが、結局のところ、恋人同士で一番大切なのは「好きな気持ち」の釣り合いです。どちらか一方だけが好きな状態では、恋の進展はありえませんが、形式上『お付き合い』をすることになっても、お互いが同じように好き合っているカップルは少なく、気持ちの大きさは双方で違い、更にいうと、その気持ちの強さは常に変化していきます。

大輔と真琴も、最初は大輔が前のめりぎみでしたが、交際後は、職場の人に知られたくないと言いながらも、真琴からオフィス近くでのランチデートに誘ったり、自宅の留守番電話に長いメッセージを残すなど、大輔への好意をわかりやすく伝えていきました。
このように、恋する気持ちは流動的で、あっちに行ったりこっちに来たりの、シーソーゲームを繰り返し、お互いが居心地のいい状態を見つけていくのが恋愛といえ、生きる上でこれ以上のエンターテインメントはないとも言えましょう。