芸能人の謝罪会見から考える「恋愛関係」での嘘と謝るときの気持ち

内藤みかの恋活NEWSウォッチ【第４１回】

最近、謝罪会見をしょっちゅう目にしますね。政治や不祥事でのお詫びもありますが、やはり良く見かけるのは、いわゆる不倫での謝罪会見。最近は、反省を口にして、今後は家庭を大事にしますと締めることが多いのも、時代なのでしょうか。さまざまな謝罪会見を見ながら、私たちも恋人とケンカした時どう謝るのがいいのか、考えてみました。

■事実をまず受け止める

最近の謝罪会見で、もっとも評価が高かったのは、高島礼子さんの会見です。ご本人が悪いことをしたわけではなく、ご主人が薬物所持で逮捕され、その場所がラブホテルで一緒に女性もいたことから不倫も同時に発覚してしまったわけで、世間の同情もあったとは思いますが、素晴らしかったのは、事実を、言い訳やごまかしなどをせずに、一旦すべてご自身で受け止め、包み隠さずにそれを語ったという潔さでしょう。

人は都合が悪いことは、隠したがるもの。けれど、高島さんはあまり考えたくないかもしれない事実を、しっかりとご自身の口から明かしたのです。私たちが謝ってほしいと感じる時は、つまり相手に対して「本当に悪いことをしたとわかっているのか」と確認したいのですが、高島さんの場合、事実を認め、それを世間に妻としてお詫びしているのですから、これ以上追及をする人はいないでしょう。つまり、私たちもあれこれ言い訳の言葉を述べるよりも、まず真っ先に「事実を認める」勇気を持つことが必要なのかもしれません。

■秘密は墓場まで持っていく

ただし「決して相手に知られたくない事実」というものがあるのもまた人生だと思います。人によっては、不倫したことを、一生夫に知られず、墓場まで持っていくことが自分の誠意だという人もいるのです。時々かたくなに不倫を認めない芸能人がいますが、それはまたその人の生き様なのかなと思います。ずっと隠し続けるということは、かなりつらいでしょうし、それこそが罪滅ぼしなのかもしれません。

時と場合によっては恋人に対して思いやりある嘘をつくことも、あるかもしれません（絶対に嘘をつかないという人もいるようですが）。嘘は、貫き通してこそ、嘘。途中でバレてしまったのでは、お互いに苦しむことになり、かえってマイナスになってしまうのです。たとえば、恋人が浮気をしたら絶対に別れる考えの人だったとしたら、事実を認めたら別れになってしまうのです。謝罪どころか認めない、というのもひとつの手段。覚悟を持って否定することも、ひとつの愛のかたちなのかもしれません。

■心配かけたことをあやまる

不倫したことを謝れ、と言われて、『ゲスの極み乙女。』のボーカルの川谷さんは「みんな謝れって言うけど世間の誰に謝ればいいの？　内輪での話だからみんな関係ないじゃん」と発言し、物議を呼びました。確かに男女関係というのは、当事者やその配偶者の問題で、プライベートなことですから、関係していない人に謝ることに反発もあるのかもしれません。けれど多くの芸能人はこう言います。「このたびはお騒がせして申し訳ございません」。それから「ご心配をおかけしました」と。

なんらかの騒ぎが起きれば、その当事者でなくても、周辺のかたは、心配したはずです。さまざまな方面に迷惑が及ぶ場合もあるでしょう。それを自覚した場合は、素直に謝罪の気持ちを口にできるのかもしれません。もしかしたら相手が欲しがっているのは悪いことをしたことについての謝罪ではなく「心配かけてしまって、ごめんなさい」の一言なのかもしれません。相手が、どういうことでの謝罪を求めているのかを推測することも、必要になるでしょう。