女性が年上か年下で恋愛の形が変わる ~年の差カップルについて~

埼玉県が主催する「ライフデザイン支援講座」の講師陣が、各講座のエッセンスをお届けするセミナーコラムシリーズ。今回は明治安田生活福祉研究所主席研究員の森義博さんが「20~40代の恋愛と結婚」をテーマとした調査結果から、恋愛や婚活の実態に迫ります!
まずはごく基本的なところですが、「結婚をしたいかどうか」について。
「結婚願望がある人」(回答項目のうち「できるだけ早く結婚したい」「いずれ結婚したい」「結婚したいと思うが、結婚しないと思う」の3つに該当すると答えた人)は、
20代では男性70.5%、女性86.4%。
30代では男性63.5%、女性73.2%と、
女性が男性を大きく上回る結果になりました。
一方で、男女とも年齢が上がるにつれ「結婚したい」という割合は低下しています。
特に女性は「結婚したいと思わない」と答えた人は
30代前半で13.5%程度なのが、
40代前半では26.9%と、
30代後半から40代前半あたりで大きく低下する傾向が見られました。
この年代になると、家事や育児にとらわれずにキャリアアップを目ざしたり、「おひとりさま」の自由な生活スタイルを志向するようになることも理由にありそうです。
では現在、交際相手がいる人は、どのくらいいるのでしょうか。
未婚男女に恋人の有無を訊ねてみたところ、
20代男性ではなんと5人に1人(22.1%)だけという結果に。
20代の女性も41.9%と、どちらかといえば少数派なのですが、男性の割合と比較すると、かなり多く感じられます。この傾向は30代でも同様です。
30~40代になると、男女とも恋人のいる割合はさらに低下。
恋人がいない男女が7~9割という状況になってきます。
「アラサー」「アラフォー」と呼ばれる世代の恋愛状況の厳しさがうかがわれます。
ところで、そもそも異性との交際経験はどのくらいあるのでしょう。
これについても訊ねた結果、未婚男性では、
20代の40.7%、
30代の33.5%、
40代でも24.0%
が異性との交際経験がないと回答しています。
女性はというと、異性との交際未経験者は、
20代の23.3%、
30代の15.8%、
40代でも13.5%
と、各年代通じて男性の約半分の割合。
男女でかなり開きのある状況となっています。
では、なぜ男性の交際経験が少ないのでしょうか?
30代の未婚の男女に、恋愛に関係がありそうな「自分の性格・タイプ」に関する項目について訊いたところ、「あてはまる+ややあてはまる」と回答した割合で興味深い結果が出ています。
「恋愛に関しては積極的に行動するほうだ」、
「異性との出会いの場に積極的に足を向けているほうだ」、
「社交的なタイプだと思う」
という項目は、女性より男性が低く、
「異性と話をするのが苦手」
という項目は男性のほうが女性より高くなっているのです。
これを見る限り、女性に比べて男性のほうが、恋愛に慎重・消極的であることがうかがわれます。
「高身長、高学歴、高収入」が理想の男性の条件とされていたのは、一昔前のこと。
とはいえ、一緒に生活していく相手を選ぶうえで、
どの程度の収入があるかは、特に女性にとって重要事項でしょう。
未婚女性が結婚相手に求める最低年収について訊ねたところ、
20代では57.1%、
30代では65.5%
が結婚相手に「年収400万円以上」を求めると回答しています。
20代の回答者の中には学生も含まれていますが、
30代では、大半の人が自分自身で生計を立てていると考えられます。
相手に求める年収のハードルが高くなるのも無理はないのかもしれません。
それに対して、男性の年収の実態はどうかというと、
「年収400万円以上」に該当する未婚男性は、
20代で11.7%、
30代で26.7%
にとどまります。
一方、「300万円未満」の割合は、
20代で65.5%、
30代で45.4%
という結果が。
女性の求める年収と、実際の男性の年収にはかなりのギャップがあるようです。
20~30代の未婚男女が考える「結婚相手の条件」について見てみましょう。
15項目の条件について、「あてはまる」「ややあてはまる」という回答があった割合で見ると、
男性の回答の上位は、
「優しい」
「物事の価値観が合う」
「浮気をしない」
「趣味が合う」
「子どもを生むことに前向き」。
女性では、
「物事の価値観が合う」
「優しい」
「行動力・決断力がある」
「浮気をしない」
「相手の年収・経済力」
が上位でした。
回答全体を見てみると、「容姿や身長」を除く14項目で、女性の割合が男性を上回っています。
また、男性で60%を越えた条件が3項目のみだったのに対し、女性は8項目で60%超えと、女性が相手に求めるハードルを多く設定していることが浮き彫りになりました。
さらに、
「相手の年収・経済力」
「相手の仕事の内容・会社」
「相手の親と同居しなくてよい」
などの項目では、男性に比べて女性が30ポイント以上も上まわっています。このことから、女性は後々の結婚生活を考えて、相手の条件をシビアに捉えていることがうかがえます。
その反面、
「結婚には、女性の『稼ぎ力』も大事だと思う」
という項目では、男性が29.6%と約3割程度なのに対し、女性のほうが49.4%と高くなっています。
400万円以上の年収を男性に求めながらも、男性の経済力のみを頼りにせず、結婚後も自分の仕事の継続を考えている女性が多いことがわかりました。
これまでのデータで見る限り、女性の側がかなり条件をシビアに設定しているような印象を受けますが、しっかりと現実をふまえた考えを持っているのも女性のほうなのかもしれませんね。
次回は、出会いの場や婚活の状況についての調査結果を見ていきたいと思います。
※この調査は、全国の20~49歳の男女3,616人を対象に、2014年3月21日~3月24日に行ったものです。
●埼玉県、未婚者を応援するライフデザイン支援講座開講
http://www.pref.saitama.lg.jp/news/page/news140822-01.html
●「理想の相手は年収400万以上」が女の本音!?「データで見る婚活」前編/ライタープロフィール
森 義博
もりよしひろ
株式会社明治安田生活福祉研究所主席研究員。
少子高齢社会におけるライフプランニングを中心に研究。確定拠出年金(日本版401k)の加入者向けセミナーなどの講師も務める。
アンケート調査についての詳細は、明治安田生活福祉研究所のホームページを参照。http://www.myilw.co.jp/life/enquete/index.html
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