女性が年上か年下で恋愛の形が変わる ~年の差カップルについて~

男と女をつなげる一番大切はメディアは<愛>。
でも、<愛>は、<お金>や<力>でぐらつくことも多いもの。
では、その<愛>を強めるものはあるのでしょうか? 鈴木先生、教えてください!
「あなた」と「わたし」をつなげるものには、<お金>、<力>、<愛>、<神>という四つのメディアがあるということは、前回お話しした通りです。
社会の基本である「家族」は<愛>でつながっているもの。
<お金>も<力>も必要ですが、時と場合によっては、愛をぐらつかせる方向に作用することもあります。
それでは、逆に二人の愛をより強くするメディアとは何でしょうか?
これが<神>というメディアなのです。
<神>などと言うと、引いてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
パーソンズはこれを<価値>とも言い換えています。
例えば、二人の目ざす目標が同じであれば、その関係は強いものになり、目標が達成されるまで関係は続いていくことでしょう。
さらに高い目標、そしてまたさらに高い目標をめざしていくならば、やがて究極的な目的=価値に到達するはずです。
つまり、二人の価値観が同じであれば、その関係は長続きする、ということです。
あなたとわたしが<愛>と<神=価値>で結びつくとき、二人の関係は永遠なものになるのです。
あなたとわたし、好きで一緒で。
「愛の力」で社会が始まります。
でも結婚に至るまでには、「決断する力」が必要です。
そして、結婚生活には「経済力」も必要です。
さらに結婚をより強いものにするためには「共通価値」が必要なのです。
どれを欠いても、結婚はうまくいきません。
パーソンズが1950年代に書いた『家族論』の中に、男とは、女とは、こうとはっきり言いきっている、こんなくだりがあります。
“成熟した女性が性的に愛することのできる男性とは、男性の世界、とりわけ、その職業 面において、しっかりその位置を占めている男、家族に対して責任をもつ男だけである。またこれを逆にいえば、成熟した男性が愛することのできる女性とは、真の意味でおとなであり、自分に対しては一人前の妻、子どもに対しては母、家庭外の役割においては 適切な「人間」であるような、そんな女性だけである(パーソンズ・ベールズ編著『家族』訳42-43頁)。”
これは、1950年代の旧き良き時代のアメリカの理想的な家族といって間違いありません。
かつてはこのように「男は仕事、女は家庭で家事・育児」という価値観が主流でした。
そして今は、「男も女も仕事」、にもかかわらず「女だけが家事・育児」。
こんな時代には、パーソンズの言うような、「男」と「女」は時代遅れのように見えます。しかしどうでしょう。日本では今も依然として、こうしたパーソンズ的な男役割・女役割が求められているのも事実なのです。
わたしたちは、こうした伝統的な役割を認めつつも、「男も女も仕事」をしなくてならないという現実から出発しなければなりません。
それに加えて「男も女も家事・育児」。
これが今、そしてこれからの家族なのです。
私が結婚したのは、28歳のとき。妻は中学校の同級生でした。同級会で再会し、2年の交際の末に結婚。でも、当時の私は大学院生でしたから、妻を養えるだけの収入はなく、妻の扶養家族、専業「主夫」となったのでした。
第1子が生まれたのは、私が39歳になろうとするとき。そして第2子は、私が44歳になったとき。妻と私は同級生ですから「ハイリスク出産」そのものでした。
私は、自分にできることなら何でもしようという気持ちから、出産に立ち会い、そのための両親学級もしっかり受講しました。出産後は赤ちゃんにミルクもあげましたし、おむつも取り替えましたし、風呂にも入れました。
第2子のときには育児休業をとり、休業中は、子どもを抱っこして定期健診にも連れて行きました。
男と女の思考と行動は異なります。お互いがわかりあい、相手を思いやれるようになるには、まずはこの違いを理解する必要があります。
妊娠・出産は女性にしかできません。しかし、子育ては男女関係なくできます。
初めての妊娠の場合、女性は身体的にも精神的にかなり参ります。そして命がけの出産。男性は何もできません。しかし、そばにいてあげることはできます。
子育てはたいへんな重労働です。これを男性が代わってあげない手はありません。妊娠・出産・育児にともに関わること。これが何よりも大切なのです。
ではいったい男と女、どう関わればよいのでしょうか? 恋愛において、結婚において、妊娠において、出産において、そして育児において。
このコラム「男と女のライフデザイン講座」では、講師の方たちから、実際の男女の関わり方についてのさまざまなヒントが得られるでしょう。さあ皆さん、一緒に学んでいきましょう。あなたのライフデザイン(人生をデザインする)のスタートです。
●埼玉県、未婚者を応援するライフデザイン支援講座開講
http://www.pref.saitama.lg.jp/news/page/news140822-01.html
●イクメン教授が贈る!「愛から始まる社会学」/ライタープロフィール
鈴木健之
すずきたけし
目白大学短期大学部ビジネス社会学科教授。
専門は社会学。1992年のアメリカ留学をきっかけに、家族とパートナーシップの日米比較研究が研究フィールドのメインになる。
自他ともに認める「イクメン」であり、前職の盛岡大学では、男性育児休業取得者第一号となる。
著書に『G.I.D.実際私はどっちなの!?—性同一性障害とセクシュアルマイノリティを社会学!—』など。
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