豊かな人生は「人生最期の日」から始まる！「逆算の未来デザイン」後編

男と女のライフデザイン講座【第４回】

埼玉県が主催する「ライフデザイン支援講座」の講師陣が、各講座のエッセンスをお届けするセミナーコラムシリーズ。今回は、「ライフデザインのプロ」ともいえる、未来デザインコンサルタントの若尾裕之先生が自分らしい人生の描き方や、実現の仕方をアドバイスします！

■「コミュニケーション力」＝「恋愛力」です！

今、身の周りで起きる問題のほとんどが「コミュニケーション不足」が原因だと言っても過言ではありません。自分の考えていることが相手に上手く伝わっていなかったり、相手のことを誤解したりすることから、いろんな問題が起こります。

異性に自分のことを気に入ってもらえなかったり、関係がぎくしゃくしたりするのも、実はコミュニケーションの問題なのです。

どんな相手であろうと、コミュニケーションがうまくいくかいかないかで、関係性が良くも悪くもなります。人と人とのコミュニケーションは、生きていくうえでとても大切なことだと言えるでしょう。

コミュニケーションの基本は、まずは相手を知ることです。

そして相手を理解することです。

そのためには相手の話を聴くこと。

そして自分の視点だけで世の中を眺めるのではなく、いろいろな人の視線で考えることも大切です。

あえて人前に出る機会を増やしてみてもいいでしょう。婚活が目的であっても、最初は婚活パーティーなどでなく、フェイスブックなどで自分の興味のある分野のパーティーを探して参加してみるという方法があります。異性と話すのが緊張するなら、はじめは同性と話していればいいのです。

日頃から練習のつもりで、会社でもなるべくプレゼンテーションの役を引き受ける、他部署の人と話す機会を増やすという方法もあります。最初は流ちょうに話せないので、気が進まないという人もいるかもしれませんが、人との関わりなくして生きていくことは不可能です。たくさんの人がいる社会という海に飛び込まないと、いつまでたっても泳げるようになりません。最初から泳げる人間は誰もいません。緊張するでしょうが、意識して変えていくことが大事です。

会社ですれ違う人にひと声かけたりするだけでもいいのです。そうすることによって、社内でも「積極的になった」とか「明るくなった」などと言われ、評価も高くなるかもしれませんよ。

■つらい経験は人生の研修ととらえましょう！

どんな成功者にも失敗があります。むしろ、失敗のほうが多いものです。失敗をしても諦めずに反省し、努力を積み重ねた結果が成功につながります。

交際を断られることもあるでしょう。しかし、諦めないことです。ただし、「どうして断られたのか」原因を知り、それを冷静に反省して、自分で変えられることは変えて、次に向かうことです。

人生は山あり谷あり。悪いことが起きると、その後にそれ以上の良いことが起きるものです。人生を幸せに生き抜くトレーニングだと思って、試練も耐えて頑張りましょう。その時は、厳しい試練に耐えることで精いっぱいですが、後で振り返ると、試練によって自分が精神的に強くなり、成長していることに気づきます。試練は厳しくも実践的な研修制度なのかもしれませんね。

そして婚活も自分を磨いてくれる研修だと思いましょう。異性から結婚したいと思われる人になるまでの期間が長ければ長いほど、チャレンジして断られた数が多ければ多いほど、自分に合った相手と結ばれた時の喜びも大きいはずです。

世界の中の「たったひとり」で良いのです。運命の人と出会えるまで諦めないことが最も大切なことです。

■最大の敵は「自分自身」なんです！

例えば、自分で何もしていないのに諦めてしまっている人や、言い訳だけして動かない人がいます。

人の能力に大きな差はありません。そして時間は誰にも平等に与えられています。目標を設定して、それに向かって時間を有効に使い、小さな努力を続け、必要なときには勇気を持ってチャンスをものにすること、これが大きな結果を生み出します。誰にでも、大きな夢を実現できる可能性があるのです。

結婚も同じです。もし過去にうまくいかないことがあったとしても、過去は過去です。未来に向かって一歩踏み出しましょう。自分が動けば、周りが動きます。動かないと何も始まりません。後悔するなら、行動しないで行動してから後悔したいものです。

何でも他人や会社のせいにして、責任を転嫁する人もいます。

夢に向かって希望を持って努力を続ける人は、成功に近づきます。逆に怠ける人は、うまくいかないので、不平不満を言う結果になります。

人生で、うまくいかないことが多いと感じるとき、実はそのすべての原因をつくっているのは、ほかならぬ「自分自身」なのです。なぜなら、人生を振り返れば、どんな小さなことであっても、右に行くか左に行くかの選択は全て自分で決めているからです。

セミナーなどで有益なことを学んだとしても、そこに自分自身での気づきがあるかないかで、自分のためになるかどうかは違ってきます。すべてのことが、自分自身に原因があるという意識を持つことがとても重要です。本当に自分で気づき、自分で目標を決めて行動できたら、これほど強いことはありません。結婚についてもまさにその通りです。結婚したいのであれば、言い訳はやめて、今できるなかで最善をつくしましょう。すべての答えは自分の内側にあるのですから。

■過去は変えられないもの。しかし未来は変えられます！

今日のあなたを作っているのは、他ならぬ過去のあなた自身です。今が幸せなら過去の自分が頑張ったからですし、今が幸せでないとすれば、過去の自分の責任です。

とは言っても、過去はどうにもなりません。過去は絶対に変えられないのです。

では、どうすればいいでしょうか？

今の考え方や行動を変えることです。

今のあなたが頑張れば、未来のあなたは幸せになれるのです。

方向性さえ間違っていなければ、努力を継続することで、いつかは必ず成功します。

しかし、手の届くところまで成功が近づいているのに、それに気づかずに諦めてしまう人が多いのです。

諦めずに継続する気持ちこそ、最高の力です。たとえ苦境が続いても、後から振り返ると、自分の血となり肉となっているでしょう。その力こそが、「未来」へ続く道を進むために必要なのだと思います。

■最高に素敵な未来をデザインしましょう！

夢や目標に対して具体的なイメージを描き、計画的に行動していくと達成が近づきます。婚活も活動期間を決めて、エネルギーを集中させることが大切です。

例えば今、独身のあなたが、２０２０年の東京オリンピックを、夫（妻）と子どもと一緒に観に行きたいとします。そこから逆算すると、いつまでに相手を見つけ、いつ結婚する必要があるか明らかになるはずです。

描くイメージもなるべく具体的に。明日からの３ヶ月以内に○○○○な相手を見つけ、それから１年以内に結婚。その1年後の第一子の女児出産、さらにその２年後に第二子の男児出産、２０２０年には夫（妻）と幼稚園に通っている子ども２人と一緒に、東京オリンピックのサッカーの決勝戦「日本対イタリア戦」を新国立競技場で観戦する……といった具合に計画を立ててはいかがでしょう？

東京五輪招致の最終プレゼンターの太田雄貴選手は「お風呂に入る前と後に、優勝インタビューの練習をしていると、自分が優勝するイメージがもっともっとりアルになる。そして、いつかその場面に遭遇するんです」と言っています。東京五輪招致の最終プレゼンは内容・英語力ともに完璧でした。最高のプレゼンをするためには普段からの努力と、イメージトレーニングの効果だったのでしょう。

自分の夢をかなえるには。成功のイメージを持ち、イメージをリアルにするトレーニングを繰り返し行なうことが大切です。

踏み出すのは「今」です。最高の「未来」をデザインしてみてください！

●埼玉県、未婚者を応援するライフデザイン支援講座開講

http://www.pref.saitama.lg.jp/news/page/news140822-01.html

●豊かな人生は「人生最期の日」から始まる！「逆算の未来デザイン」／ライタープロフィール

若尾裕之

わかおひろゆき

株式会社未来総合研究所代表取締役社長。未来デザインコンサルタント。立教大学経営学部兼任講師。

日産自動車宣伝部時代には、「イチロ・ニッサン」などの多くのヒットＣＭを担当。現在は、未来デザインコンサルタントとして人生の最期をイメージした自分らしい生き方を提案。ライフデザインにおける結婚の重要性、恋愛・結婚のためのコミュニケーションの必要性を伝えている。著書は『「結婚したい」と思われる人の共通点』（ＰＨＰ研究所）など多数。