デート中に試される、公共の場でのレディの常識力

気品あふれる「淑女」になれる花嫁教室【第９回】

あなたは「公共のマナー」にどれくらい自信がありますか？　家の一歩外に出たら、そこは公共の場。人に迷惑をかけず、お互いに心地よく過ごすための気遣いが必要です。デートのとき、男性は、あなたの常識力を見ているかもしれません。

■劇場・美術館デートのマナー

劇場・美術館・映画館など、芸術を鑑賞する場では、携帯電話の電源をオフにしましょう。マナーモードの音は、意外と響くもの。せっかくの良いシーンで、周りの方の気を散らしてしまわないよう、完全に電源を切りましょう。スマートフォンには「機内モード」があります。電源を切らずとも、通信機能だけを遮断する設定です。

劇場の座席には、深めに座りましょう。レストランの椅子のように、浅く腰かけ、背すじを伸ばして座ると、後ろの方のじゃまになってしまいます。座高を高くしすぎないように、配慮をしましょう。

歌舞伎やオペラなどの伝統芸能は、装いにもひと工夫するのが、淑女のたしなみです。観賞することそのものが、芸術だと考えましょう。昭和のはじめ、どこの家でも、いつもよりきちんとした服装のことを「よそゆき」といって、おしゃれを楽しみました。ぜひ「よそゆき」でおでかけになってみてください。

■品格が表れる、乗り物のマナー

【混みあう電車では】

電車移動のデートでは、彼と一緒に、混みあう電車に乗ることも。二人の世界に入りこみすぎないことがポイントです。

乗車のときは、なるべく中につめましょう。つめないでいると、入口付近ばかりが混雑してしまいます。出入口にもたれかかったまま、二人でおしゃべりをするのはやめましょう。会話する声のトーンは、抑え気味に。お隣や前後の方への気遣いを忘れずにしたいものです。

降車時、人の間を通る際は、無言で押したりしないこと。「失礼します」という声かけや、会釈をしましょう。

【タクシーでは】

タクシーをひろうのは、男性におまかせしましょう。

ドライバーの方への心づかいも忘れずに。行き先を伝えたあとは「お願いいたします。」、降りるときには「お世話になりました。」など、ひとこと添えると好印象です。

タクシーの席次は、運転席の後ろが上座、助手席が下座、と決まっていますが、状況や服装によっても変わるので、男性のエスコートに従いましょう。

【エレベーター・エスカレーターでは】

いずれも、男性のエスコートに添って動きましょう。ビジネスマナーなら、自分が譲るというスタンスですが、デートであれば、男性の好意を素直に受けるのが可愛い女性です。エスコートを受けたら、小さなことでも必ず御礼を言いましょう。例えば、扉をおさえてくれたり、「どうぞ」と促してくれたりしたとき。「ありがとう」の言葉と共に、優しい微笑みを。

デート中、他の方と一緒にエレベーターに乗る場合、おしゃべりは慎みましょう。二人きりならいざ知らず、狭い空間でのおしゃべりの声を、煩わしく感じる方もいます。また、エスカレーターでは、本来、立ちどまっている方が美しいです。どうしても急ぐ場合でなければ、エスカレーターを歩いて登るのは、やめましょう。

■度を越えた解放感にご用心！ホテル・旅館でのマナー

大好きな彼との旅行は、うれしいものですね。旅先ではつい解放的になってしまいがちですので、いつも以上にマナーに気をつけましょう。

ロビーでは、大きな声ではしゃいだりしないこと。雰囲気をこわさないよう、節度を持って過ごしましょう。ソファに、大きな荷物を乗せるのはNGです。バッグは足元に置きましょう。

廊下など共有スペースでは、きちんと服装を整えてください。間違っても、バスローブのまま、うろうろと歩いたりしないでくださいね。（大浴場のある旅館なら、浴衣での移動はOKです。）スリッパは、部屋の中ではくために用意されています。スリッパのまま、廊下に出ないようにしましょう。

ホテル内のバスルームは、洗面台・トイレ一体型になっているタイプが多いです。シャワーを浴びるときには、床を濡らさないよう気配りを。洗面台を使ったら、髪の毛などを落としておかないよう、ティッシュでさっとお掃除をするといいですね。

同じ部屋で過ごす彼への心くばりを忘れず、自分の荷物ばかりを散らかさないようにしましょうね。もし、彼が脱いだ衣服がそのままになっていたら、そっとたたんであげると好印象です。素敵な旅を、楽しんでください。