女性が年上か年下で恋愛の形が変わる ~年の差カップルについて~

埼玉県が主催する「ライフデザイン支援講座」の講師陣が、各講座のエッセンスをお届けするシリーズ。今回は、女性の健康医学を研究する順天堂大学大学院 医学研究科 研究員の本田由佳先生に妊娠・出産をはじめとする、女性の身体とヘルスケアについてうかがいます。
こんにちは、本田由佳です。ここでは、女性が将来、子どもを産みたいと思ったときのための身体づくりについてお話ししたいと思います。
もちろん、それぞれの人生の中で、産む人もいれば、産まないという選択をする人もいるでしょう。もし、仮に産まないと決めている方にとっても、将来の健康や美容のために役立つ情報も多いのではないかと思います。
突然ですが、皆さんは、ダイエットをしたことがありますか?
日本ではダイエットをしている人がとても多く、しかも若い子にも広がっているのが特徴です。
では、ダイエットが必要かどうか、何を基準にすればいいのでしょうか?
それがBMI(Body Math Index)で、WHOで定められた肥満を判定する国際基準です。
計算方法は簡単です。
体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
この計算で出たBMI値によって、以下のように分類されます。
18.5未満→やせ
18.5~25未満→標準
25以上→肥満
例えば、身長160cm、体重50kgの人の場合、50÷1.6÷1.6=19.5(小数点一位以下四捨五入)で、BMIは19.5ということになります。
日本人のBMIは1950年代からどんどん下がり続けていて、特に日本人の20~30歳代の女性では、今、BMIが18.5未満の「やせ」の人が、全体の3割にも及んでいます。
女性がやせていることは、妊娠・出産するうえで、どのような問題があるのでしょう?
実は、やせている女性から産まれる赤ちゃんには、2500g未満の低体重児が多いのです。
以前は出生体重3000gを超える赤ちゃんが普通にいましたが、この30年前後で平均出生体重が200g以上減少し、2500~2900gの赤ちゃんが一般的で、10人に1人は2500g未満の低出生体重児になっています。先進国の中で、低出生体重児が増えている国は日本だけです。
低出生体重児は、将来、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高く、体重が増えても、筋肉でなく脂肪が増えるため肥満になる傾向があると言われています。
日本では、もともと「小さく産んで大きく育てる」ということがよいとされ、妊娠中の体重管理が厳しく行なわれてきました。でも、これからは妊娠したら、しっかり体重を増やすことが重要です。
とはいっても、ただ増えればいいというわけではありません。
BMI18.5未満の「やせ」の人は、妊娠中の体重増加は9~12kg、BMI 18.5~25未満の「標準」の人は7~12kg、BMI 25以上の「肥満」の人は5kg未満で個別指導を行なうというように、BMIによって、増やす目安が定められています(2005年厚労省基準)。
出産に限らず「妊娠」や「健康」という面からも、必要以上のダイエットは百害あって一利無し。
女性の正常な排卵や卵巣を刺激する女性ホルモン分泌には、ある程度の体脂肪が必要なため、過度なダイエットで極端に体重が減ると、ホルモンの分泌が低下して「体重減少性無月経」になってしまい、不妊の原因になるからです。
体脂肪率でいえば、女性は22~25%くらいはあったほうがいいと言われています。
また、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性らしいメリハリのある体型をつくったり、骨の健康を保つ働きをもっています。ダイエットを繰り返すと、若いうちから骨粗鬆症を引き起こし、老化を早めることにもなるのです。
妊娠する・しないに関わらず、美しさを保ちながら年を重ねていくためにも、20~30代からしっかりと栄養バランスのよい食事をとることを心がけたいですね。
では、具体的には、どのような食生活を送ればいいのでしょう。
これはアメリカの調査ですが、妊娠しやすい食生活のポイントをまとめた報告があります。日本とは多少違いがあるのですが、参考までに挙げておきましょう。
●精製度の低い炭水化物をとり、生制度の高い炭水化物を減らす
白いものより茶色いものと考えるといいでしょう。パンなら全粒粉のパン、お米なら白米よりも玄米がおすすめです。
●不飽和脂肪酸(オリーブオイルなどオレイン酸類)を多く摂り、トランス脂肪酸(マーガリン)を避ける
●植物性タンパク質を多く摂り、赤身の肉の摂取を減らす
日本人の場合、アメリカ人に比べ、お肉の摂取量が少ないので、むしろ積極的に食べたほうがいいでしょう
●無調整乳か無調整牛乳を使った乳製品を摂る。低脂肪乳は減らす
●400マイクログラムの葉酸と鉄分を含むマルチビタミンのサプリを飲む
●コーヒー、紅茶、アルコール、砂糖入りの清涼飲料水は控える
●BMIを妊娠適正ゾーン(20~24)に近づけるようにする。1日30~60分身体を動かす。
もちろん、睡眠や運動も大切です。睡眠時間の理想は6~7時間程度。多少短くても、質の良い睡眠を心がけましょう。運動は上にもありますが、1日1万歩程度歩きたいところです。それが無理でも、オフィスでイスに座っているときには足を閉じ、お腹に力を入れて、よい姿勢を保つようにするといいでしょう、これだけで1日40kcalも違ってくるんですよ。
食事などの生活習慣を整えると同時に、健康を守ることも大切です。年に一度は定期検診を受け、自分の身体にきちんと向き合いましょう。
最近は、晩婚化によって、子どもを産む前に子宮内膜症や子宮がん、乳がんなど婦人科系の疾患にかかるケースが増加しています。妊娠を望んでいる人で、生理痛や生理不順がある場合は、迷わずにすぐ医療機関で受診しましょう。
自治体や企業などが行う定期検診では、血液検査などの基本的な健康診断のほか、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんなどの検査が受けられます。
ただ、これらの検診項目は、その多くが男性寄りに設定されている傾向があります。そこで20~30代の女性がぜひ受けておきたい検診項目をご紹介します。
●総合健康診断
●総基礎体温診断
2~3周期分測って、医師にチェックしてもらいましょう
●子宮頸がん検診
●クラミジアDNA
●経膣超音波
膣内にポリープができていないかを調べます
●マンモグラフィー1方向(30代及び妊娠を希望している人)
●貧血、生化学、甲状腺機能、抗核抗体(妊娠を望んでいる人はリウマチ因子、ホルモンチェック、腫瘍マーカー1種も)
●ストレスチェック(妊娠を望んでいる人は妊娠前チェックも)
●身長・体重、体脂肪測定(30代及び妊娠を希望している人は腹囲の測定も)
40代、50代になっても、健康と美しさを保つためには、若いうちから身体に対する意識を持つことが重要。今日から皆さんも、自分の身体のチェックとケアを始めてみてください!
次回は、妊娠・出産・子育てに関して、今から知っておきたい具体的な基礎知識についてお話します。
●埼玉県、未婚者を応援するライフデザイン支援講座開講
http://www.pref.saitama.lg.jp/news/page/news140822-01.htm
いつかママになるために、今日から始めたい「−(マイナス)5歳からの身体づくり」 前編/ライタープロフィール
本田由佳
ほんだ ゆか
順天堂大学大学院 医学研究科 小児思春期発達・病態学 研究員
産婦人科舘出張 佐藤病院周産期研究コーディネーター
元東京大学大学院医学系研究科母性看護学・助産学分野客員研究員。
自ら経験した極端なダイエット、妊娠・出産・子育てがきっかけで女性健康医学者となる。「女性と子どもの健康力をあげて日本を元気に! ハッピーにすること」を目標に、研究活動を行っている。
2012年7月まで株式会社タニタに所属し、女性やアスリートの研究から体組成計や睡眠計の研究・開発を手がけた。
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