部下や彼氏の能力が開花する!?「誉めクセ」

読めば一瞬で好かれる人になる！　心理学を活かした好感度UPテク

■「誉める」ことで、相手のモチベーションをアップさせる

あなたが「もっと、こうあってほしい」と願う、部下や後輩、または彼氏や彼女がいるなら、「誉め」を効果的に使うと良いでしょう。なぜなら、人は自分が認めている相手から誉められることで、やる気がアップするからです。

「誉めて伸ばす」と言われる教育法がありますが、誉められると、人は自分に自信が持てるようになります。人は自分ひとりだけでモチベーションをあげるのはとても難しい生き物です。「よく出来た」、「自分がいい人間だ」と思っていても、周りがそれを認めてくれていなければ、自信を保つのは難しいですよね。誰かから「誉められる」ということによって、周囲から自分を認められたと認識し、自尊心が高めらます。そして、自尊心が高められることで、自信が湧き、モチベーションアップにつながります。その結果、能力が最大限活かされて、結果が出やすくなるのです。

仕事だけではなく、たとえば、彼女にも「いつもきれいだね」と誉めることによって、彼女の美のモチベーションをサポートできるのです。たとえば、「もっと、きれいにしてほしい」と言ってしまうと、不満を伝える言葉になってしまうため、相手が不快に感じてしまうリスクもあります。彼女にきれいにしていてほしい、彼氏にこうあってほしい、などという願望は、直接的に伝えるのではなく、「誉め」を効果的に使うことによって、円満に実現することができるのです。

■期待されると、人は「応えたい」と思って頑張る

「きれいだね」と言われると、誉められた本人は、相手から「きれいな自分」を期待されていると感じます。人から期待されていると感じたら、その期待に応えたいと思うようになる……それを心理学では「ピグマリオン効果」と呼びます。相手に期待する、ということは、モチベーションをアップさせる重要な働きかけなのです。

たとえば、仕事にやる気がない部下がいると、叱咤の言葉を浴びせたくなりますよね。その他にも、彼氏や彼女の良くない態度に対して、文句を言いたくなるものです。しかし、叱咤や、文句を言ってしまうと、相手は反抗的な言動をとる可能性が高くなります。だからこそ、「誉め」が効果的なのです。好意的な言葉を言われて、悪い気はしません。さらに、認められて、期待されるということは、人にとって大きな褒美となるのです。

「すごいね」「こんなこと、できるんだ」などの直接的な誉めだけではなく、「頼る」「甘える」というのも、広義の意味では「誉め」と同じ役割を果たすこともあります。たとえば、「よかったら、この資料一緒に作ってくれないかな？　君の PCスキルは評判だから、手伝ってもらえると、必ず良いものできると思う」など、頼ることは、相手の能力を認めているということの間接的なメッセージにもなるのです。

■自分にとって魅力的な話ではなく、まずは相手と仲良くなれそうな話を優先する

誉めるきっかけは、どんな些細なことでも構いません。自信のない人であれば、単純に誉めると「なんだか、見え透いた嘘のようだ」と、素直に受け取ってもらえない可能性もありますよね。そんな場合は、小さいお願いごとを通して、「すごく助かった！　あなたに頼んでよかった」と、誉めることによって、相手の達成欲求を満たすことができます。小さいことでも、何か達成したことに対して、感謝や賞賛の言葉を受けることによって、根拠のない「誉め」よりも、素直に受け止めやすくなるしょう。

しかし、誉めてばかりだと、「当たり前だ」と、誉めの価値が低くなってしまうことも。相手の反応によって、時には厳しく伝え、時には誉めを効果的に使うなど、臨機応変に使い分ける方が、より良い結果を生み出す可能性もあります。また、前述しましたが、「誉め」の価値は、相手によって変わります。「こんな人から誉められた」と、思えるほど、好意を寄せている相手や、尊敬する相手からの「誉め」は特別な効果を持ちます。ただ、単に「誉める」だけではなく、自分の価値を磨くことも忘れてはいけないのです。

叱咤が相手の欠点を見つけることだとすれば、誉めることは、相手の良いところを探すことです。叱るよりも、誉める方が、こちら側も気持ちがいいものです。また、「誉めてくれる相手に対して、人は好意を抱くようになる」、という心理研究の報告が示すように、相手と良好な関係でいるために有効な行為でもあります。誉める習慣をつけることは、人から好かれる習慣を身に付けることでもあると言えるしょう。

（2016.02.01掲載）