アイドルオタの彼は〝推し〟命。そんな彼と恋人同士になるのは難しい?!

趣味も仕事も恋も必死(マジ)なんです！〝ネオ・オタク〟のためのよろず相談室【第二回】

いいなと思った男性が、実はアイドルオタだったら、あなたならどうしますか？

あきらめますか？ 振り向かせますか？ せっかく好意を持ったのですから、できれば恋人になりたいですよね。

「アイドル命の男性と仲良くなるためにはどうしたらいいのか」

今回はそんなお悩みについてお答えしました。

「アイドルオタクの彼とつき合うのって難しいですか？」

家電系メーカーで事務職をしているM佳（29歳）は、週末にパン教室に通う家庭的な女性で現在婚活中。そんなM佳が仕事を通して知り合ったのがIT関連会社で働くYさん（34歳）。彼は某有名アイドルグループが大好きなアイドルオタで、コンサート、イベント参加はもちろん、物販推し貢ぎ必須のガチなファンだそう。

「Yさんは仕事の評判も良く、優しくて好感を持っています。まだ、デートしたことはありませんが、Lineで連絡を取っています。できれば彼と付き合いたいと考えていますが、彼の周りからは『Yさんは推しに貢ぎまくりのガチのアイドルオタだよ』と言われています。Lineでもいつもアイドルの話をしているし、普通の恋愛には興味がないのかも…。Yさんとつき合うのは難しいでしょうか？」との相談。

最近は可愛いアイドルが目白押しですから、アイドルオタも増えていますよね。推し命！ そんな気持ちはわからなくもありません。

アイドルは偶像・虚構の恋人。リアル女性の「ありがたさ」をアピール

アイドルオタにとってアイドルとは、神、女神だったりするそうです。

では、女神ってどんな存在なのでしょうか？ アイドルオタの友人に聞いたところ、「なにはともかく尊い」とのことでした。

わかるようでわかりませんでしたが、とにかく崇め奉りたくなる感じのようです。

若かりし頃には一度や二度、芸能人や有名人を好きになったりしませんでした？ かくいう私も海外ミュージュシャンにどハマりし、日本全国コンサートに行きまくる———なんてことがあったような…。

ですから、アイドルが好きな気持ちは理解できます。ライヴやイベントには絶対行きたい。推しの応援をしたいから、CD、DVDはもとより物販、チェキも限界まで課金して貢ぎたくなる…。誰だって

アイドルオタの中には、「推し以外は眼中にない。この世の全てがなくなっても推しさえいれば生きていける、いやむしろ全て滅びろ！」的な悪心同担拒否の方もいるようですが、大多数は「愛する推しのために、自身のできる限りの応援を！」と心温まる愛念を発揮している方々でしょう。

ですから、アイドルオタだからといって、必ずしも推し以外には興味を持てないという訳ではありません。おおよそはリアルとアイドルを分けて考えられる人たちです。

特にネオ・オタ的アイドルオタだった場合は、一見アイドルオタには見えない隠れオタの場合も少なくありません。そんなネオ・アイドルオタな方々はリアル女子を排除しませんし、恋愛にも普通に興味を持っています。

ときに、リアルでの恋人に対して理想が高すぎる人もいますが、それはあくまで少数派ですから、気にしなくてもいいでしょう。

手の届くリアル彼女。その「距離感」が重要

では、どうやって彼との距離を縮めればいいのでしょう？

そこで、アイドルオタ彼に近づくための方法としてオススメなのが「リアル女性のありがたさ」を痛感させることです。

アイドルとリアル女性の最大の違いは「ビジュアル」ではありません。

それは「距離感」です。

要するにビジュアルに優れた推しアイドルは、それは見ていて飽きないし、考えているだけで幸せ気分にさせてくれる命ともいえる存在です。

ですが、実際問題、風邪や病気で動けなくなった時に、食事や薬を運んで来てはくれませんし、所詮助けてはくれません。

一方、リアル女子はそこが強みです。好きな人とあらばせっせと助けに参上して、甲斐甲斐しくお世話だってするし、料理上手な女性だったら食事だってお手のものです。

ほら、よく言うじゃないですか、男は胃袋を掴んでしまえばこっちのものだって。

お料理男子が増えてきているとはいえ、それはほんの一握りの話で、大概の男性は女性の手料理料に弱い。良くも悪くもこの法則はいまだに変わっていません。

ですから、アイドルに対抗するには「ありがたさ」を最大限に使いましょう。

恋愛のパワーバランスで考えると若干手間ヒマはかかりますが、アイドルにはできないことで攻めることが重要です。

遠くのアイドルもいいけど、痒い所に手が届く近くの優しい女性！ それって素晴らしい！ と相手の意識に刷り込んでいきましょう。

物質的「ありがたさ」と精神的「ありがたさ」を使い分ける

どんなことをしたら、相手はありがたいと思うの？ それが問題になりますよね。自分のしたいことを押し付けるだけでは、相手はありがたくありません。

ここで大切なのは相手にとっての「ありがたさ」です。

それは物質的なことなのか、精神的なことなのか。その相手に必要な「ありがたさ」の種類を見極めることが重要になります。

Yさんのように推しアイドルの話をしてくれるタイプの場合は、物質的な「ありがたさ」が向いているかもしれません。推しアイドルのことを隠さず話せるということは、アイドルオタとして嫌な経験をしたことがほとんどないか、リアルとアイドルを分けて考えられる人だと思います。

ですから、相手を気にかけているといった、ちょっとした気遣い程度の行動を積み重ねることで、じわじわと「ありがたさ」を染み渡らせて生きましょう。

決して、いきなりお弁当を作って渡すなどといった暴挙には出ないように。

距離を詰める前にそんなことをすると引かれてしまいますから注意してください。あくまでも日々のじわじわがポイントです。

推しをリチーチして、彼との距離を縮めることを目標に

反対にアイドルオタを隠したい、隠れタイプの場合は、女性に対して偏見を持っていることも少なくありませんから、まずは精神的な「ありがたさ」から始めた方がいいでしょう。

好きなアイドル話が一緒にできる、気のおけない自分を理解してくれる女友達という関係性は、アイドルオタの男性からすると、とても嬉しい存在。

私の友人も女性が自分の押しアイドルを好きだと言ってくれると、共感性が高まり距離が縮まると話していました。

そういう人が相手の場合は、相手の推しについて知っておいた方がいいでしょう。

恋愛は駆け引きですから、アイドルオタの彼が相手でも頭脳戦は必須です。

彼の推しアイドルをリサーチし、あなたがそのアイドルのことが好きになれれば、それこそ話も弾みますし、上手くいけば、一緒にライヴやイベントなどに参加できる可能性もあります。

アイドルを利用しつつ距離を縮めていくことを目標にするといいのではないでしょうか。

自分とアイドルは別次元と割り切って、リアルの一番を獲得しよう

彼との距離を縮めていく間に、ついしてしまいがちなことがあります。

それは自分とアイドルを同列に置く、またはアイドルを下に見ることです。他意なく、何気なくだったとしても、それはアイドルオタの彼にとってはもっての外。ありえない愚行だと認識しておいた方がいいでしょう。

なぜならそれは、彼の愛する推しアイドルを軽んじていることに他ならないからです。

いくら距離が縮まったとはいえ、彼の一番は変わらず推しアイドルですし、それは彼が他のアイドルに推し変するまでずっと変わりません。そう、アイドルオタはそう簡単に終わることはありません。推しが変わったとしても、いつでも一番は押しアイドルです。

でも、それがなんだというのでしょう。そんなこと気にしてはいけません。いや、むしろ気にする必要はありません。

推しはあくまで偶像ですから、あなたはリアルでの一番になればいいのです。

リアル女性の「ありがたさ」＝あなたの「ありがたさ」を痛感させることができれば、彼はあなたの良さを再認識するはずです。そうなったら、こっちのもの。

どんどん距離を詰めて、恋人への階段を駆け上がりましょう。

イラスト/FJ