内緒の趣味を彼に伝えるときの上手な告白方法

趣味も仕事も恋も必死(マジ)なんです！〝ネオ・オタク〟のためのよろず相談室【第一回】

今時オタクはコアな趣味人!?

最近、「私、オタクだから」という会話をよく耳にします。ついこの間も書店で若い女性たちが漫画を片手にオタク論議に花を咲かせていたし、私の周りにも「自称オタク」が溢れています。かくいう私もその一人。若かりし頃からいつくかの趣味を愛するオタクですから。

昔、といってもほんの10年くらい前までは「オタク」にはマイナスイメージが付きまとっていました。

それが今ではマイナスイメージも薄らいで「コアな趣味人」といった様相を呈しています。

あなたはどっち？今と旧のオタクの違い

【旧】

・マイナスイメージ、変わり者

・自称「オタク」と言われるのが憚られていた

・独特な風体、または服装に興味がない人が多い印象

・特定の分野、物事のみに関心があり、極端に詳しい

・自身の価値観が重要で、社会に適応ができない場合も

・リアルに興味が薄く、結婚願望が乏しい

【今】

・プラスイメージ、コアな趣味人

・特有の服装ではなく、一般的な服装でファッションに興味もある

・自称「オタク」を掲げる人が多く、オタク自己プロデュースもできる

・仕事による収入があり、コアな趣味をもてる生活力がある

・一般的な常識と趣味の世界を分けられる

・リアルでの恋愛・結婚が身近な問題

『広辞苑(第７版)』岩波書店(2018）より、お-たく【御宅】(多く片仮名で書く) 特定の分野・物事には異常なほど熱中するが、他への関心が薄く世間との付合いに疎い人。また広く、特定の趣味に過度にのめりこんでいる人。

現代オタクはサラリーを得て大好きな趣味を堪能する趣味ラヴァーなコアな趣味人ですから、もはや新しきオタク〝ネオ・オタク〟と言った方がいいのかもしれません。

〝ネオ・オタク〟は恋愛が身近な問題

旧オタクは恋愛とは遠く離れたところに居がちでしたが、〝ネオ・オタク〟は恋愛がとても身近な問題のようです。私の周りの〝ネオ・オタク〟達の話題に上ることといえば、趣味の話の次いで多いのが恋バナです。

つい先日も、〝ネオ・オタク〟友で、BL（ボーイズラブ）漫画ラヴァーの腐女子K子（31歳／メーカー勤務）に、2時間話し込まれたのも恋愛についてでした。

そこで、オタクの先輩かつ多少の恋愛経験者として、〝ネオ・オタク〟の恋愛相談にお答えします。

〝ネオ・オタク〟の方はもちろん、片思いの相手や恋人が〝ネオ・オタク〟という方も、幸せの掴み方や恋愛の攻略方法を一緒に探していきましょう。

＜ご相談１＞

Q,好きな人に自分のBL趣味を伝えるべき？

仕事はしっかりこなし、オシャレにも興味があり、一見、オタク感は皆無のK子は、商業コミックから薄い本（同人誌）、グッズ、ドラマCD、声優までどっぷりBL漬けの〝ネオ・オタク〟。

「最近食事デートをするようになった仕事関係の男性Sさん（33歳）に休日デートに誘われるが、その度、運悪くアニメの同人イベントとバッティング。イベントを優先してデートを断り続けた結果、Sさんに不審がられている。自分のBLオタを伝えた方がいい？」との相談。オタイベント参加のあるあるです。

A,恋人未満は全てをさらけ出す必要なし

自分の趣味を伝えれば不審がられていることは払拭できると思いますが、それがBL漫画なだけに、男性の受け入れ度はあまり高くない気がします……。

私なら、ちゃんと恋人になれるまでははっきりとは伝えません。伝えないからといっても嘘をつくわけではないし、恋愛はじめって自分のいいところだけしか見せたくないものじゃありませんか？ 何もかもを全部曝け出してから恋愛する人なんていないでしょう？

私もかれこれずっとオタクでしたから、同じような経験をしたこともありますが、恋人の前では、ほとんど趣味の話はしませんでした。デートの時は二人で楽しめる会話に終始していたと思います。

とはいえ、不審がられていては上手くいくものも上手くいきませんから、休日に会えなかった理由はオブラートに包みつつ説明しておいた方が賢明です。ポイントは「オブラートに包むこと」です。

相手の不審を払拭するには、相手のキャパを見極めることが重要

男性は比較的漫画に抵抗ない人が多いですが、そうはいっても漫画を読む派と読まない派に分かれます。好きな人のタイプによって伝え方を変えた方がいいでしょう。

まずは漫画を読む派か読まない派かを調べましょう。相手のキャパシティを見極めることが重要だからです。

漫画を読まない派の場合は、BLラヴァーと告げるのではなく、漫画好きとして説明する程度で問題ありません。漫画を読まない人は漫画のジャンルや作家について聞いてくることはまずないでしょうし、説明したところで理解できるとも思えません。

それでも、どんな漫画を読むのか聞いてくるようだったら、BLではなく女系向けコミックを上げておくのが手です。そうすればそれ以上突っ込んでくることはまずありません。

男性の多くが、自分の知らない世界にはそう深入りしてこないものです。彼の「知りたい」を満たしてあげさえすれば問題なし。休日に会えなかった理由も「趣味仲間との集まり」で不審感は払拭できるはずです。

お互い漫画好きでも相容れない要素があることも忘れずに

じつは、男性が漫画を読む派だった場合の方が面倒です。

自分が読んでいる漫画と比較したり、ジャンルや作家についても突っ込んできたりする可能性があるからです。そんな時は、相手の読んでいる漫画から彼の漫画度を見計らってください。

かなりマニアックな漫画を読んでいるようなら要注意です。

そういうタイプには、BL作家の非BL作品の話題を振ってみるといいでしょう。そこでBL好きと思われなかったら、敢えて伝えなる必要はありません。このジャンルのことをほぼ知らないと想定できますから、ただの漫画好きで通しましょう。

お互い漫画を読むことで二人の仲が接近する可能性もあります。とはいえ、漫画好きな男性と言えどBLに偏見を持っている人は少なくありません。偏見を持っている人は、否定してくることが多いので、意外に見つけやすいはずです。

「BLとか読むの？」と普通の会話トーンで聞いてくれる人の場合は、BLオタを伝えても引かれることはないでしょう。

ただ、どちらのタイプが相手でも相手がオタクではない限りは、同人誌やイベントの話までは伝える必要はありません。

多くの男性は漫画を読んでも市販コミックまでで、同人イベントに参加する感覚は理解しがたいことが多いですから、ある程度の関係を築けるまでは内緒にしておく方が賢明です。

多くの男性は往々にして理解しがたいことは排除しにかかります。そうすると、あなた自身と趣味を分けることができなくなり、あなた自身を否定することにも成り兼ねません。

ですから、休日に会えない時がある理由は趣味の友達と会っている程度の説明で十分です。

お互い好ましいところを見て、ほんのちょっとズルくなろう

私が思うに、付き合う前に全てをさらけ出す必要はありません。付き合ってからでもいいことは後回しにしてもいいのです。

まずはお互いが好ましいところを見せ合って、付き合うところまで持っていきましょう。

人間、誰しも秘密にしていることはあるはずです。全てをさらけ出すことが得策ではないでしょう。

恋愛はある意味駆け引きですから、それが〝ネオ・オタク〟であっても変わりません。

オタクは素直で自分を偽れない人が多いようですが、幸せになるためにほんのちょっとズルくなってみませんか？

イラスト/FJ