大恋愛に落ちる方法を、ドラマ『大恋愛～僕を忘れる君と』に学ぶ

ドラマに学ぶ、恋愛テクニック【第20回】

傷つくのは怖いけれど、女に生まれたからには、一生に一度でいいから、魂が震えるほどの大恋愛をしてみたいと願うもの。そこで、大恋愛に落ちる方法を、話題のドラマ「大恋愛～僕を忘れる君と」に学びます。

ドラマ【大恋愛～僕を忘れる君と】

主人公の北澤尚（戸田恵梨香）は、運命の人に出会ったことを理由に婚約破棄をした矢先に、自身が若年性アルツハイマー病の前段階と診断されます。愛する人も、愛した記憶も、そう遠くない将来忘れてしまう恐怖の中で紡ぐこと珠のラブストーリーです。

普通の恋愛結婚でも幸せになれるのに……

尚は開業医の両親のもとに生まれ、自らも産婦人科医として働く34歳。理想の条件にぴったり当てはまる精神科医の井原侑市（松岡昌弘）と婚約し、プライベートも充実していました。

侑市とは、大恋愛というほどではないけれど、生まれた環境や、歩んできた道も同じであるほか、「恋愛にのめり込まない」「常に理知的な選択をできる」という考えも似ており、将来に１ミリの不満も不安もなかったはずが、結婚式を１か月後に控えたある日、引越し業者でアルバイトをしている間宮真司（ムロツヨシ）に運命を感じてしまいます。

自ら積極的に、真司を食事に誘い、ベッドに誘い……結ばれた翌日に婚約破棄を決意するという行動力で、周りを翻弄していく尚。目の前にある幸せを手放してまで、手に入れたい大恋愛とは一体何なのでしょうか？

普通の恋愛と大恋愛の違い

尚と侑市が出会ったお見合いに限らず、職場恋愛など最初から相手の素性が明確なセーフティーゾーン内での恋愛は、「共感」や「共通点」等の価値観の一致により、お互いに好意を抱くことが多くなります。ですから、大きな相違や障害は少なく、結婚に至るケースが多いのです。

一方、生まれてすぐに神社に捨てられていた真司は、親を知らずに施設で育ち、今はフリーター。都会のお嬢様育ちの尚とは、「砂にまみれたアンジェリカ」という一冊の本に特別な感情を持っていること以外に共通点はありませんでした。しかしこの小説が、お互いの魂の根幹ともいえるべきものであった為、理性ではなく、本能的に惹かれていきます。

婚約破棄をしたことについて、友人に「今まではそんな選択しなかった」と言われた尚は、「価値観が崩壊した」と答えるシーンがありますが、まさにそれこそが、普通の恋愛と大恋愛の違いなのです。

普通の恋愛は、似た価値観の相手と穏やかな日々を過ごすのに対し、大恋愛では今まで白だと信じていた価値観と、相手の黒の価値観をミックスし、苦しみながら二人でグレーという新しい価値観を生み出します。その新しい価値観は、過去の自分から解放してくれるものでもあり、生まれ変われたような錯覚に陥る為、益々、その相手に「運命の人」を感じてしまうのです。

大恋愛を経験したいあなたにできること

このドラマの中で、主役の二人以外にも大恋愛に落ちる人物がいます。

尚と結婚する予定だった医師の侑市（松岡昌弘）です。恋愛に振り回されたりせず、健康な子供を生めて、母となるに足る知性のある女性という、自分の理想の条件に合った女性との結婚を希望していた侑市にとって、若年性アルツハイマー型に侵されていく尚は、対象外になったはずでした。しかし、新たにお見合いをしても、ピンとこないばかりか、尚のことを思い出すばかり。いつの間にか、条件抜きに尚を好きになってしまったことに気がつきます。

このように、今「普通」だと思っている恋愛も、角度を変えて見れば「大恋愛」ということもあり、その扉の鍵は、恋をしている人の心の中にあるもの。

「大恋愛」をしたことがないと嘆いている人は、まず目の前にいる相手と出会ったことを「角度を変えて見直してみること」はじめてみてはいかがでしょうか。