【chapter4　好みのタイプの真実】第16話　好きな人に、できること

恋活サプリWEB小説「幸せになれる恋の近道」

「素敵な男性と出会って、幸せになりたい」

「恋愛で遠回りをしないためのヒントが欲しい」

そんな女性の気持ちにやさしく寄り添い、

新しい恋に踏み出すパワーをくれる恋活WEB小説を作家の内藤みかさんが綴ります。

これまでの内容は、記事下のリンクへ。

■気になる彼からの返信

友達作りSNSで見つけたジョーさんにメッセージを送ると、たった５分で返信が来た。

「寂しい。メッセージ24時間募集中」

と書いていた彼は、相当嬉しかったのかもしれない。

「メッセージありがとう！」

第1行目にそう書かれて、私も嬉しくなった。

「誰かからメールが来たらいいなって、さっきからずっと待ってた！」

気持ちが高ぶっているのが、文面からも少し感じられた。

私は、いいことをしたのかもしれない。

少しだけ私の気持ちも、ほころんでくる。

私だって、恋人に裏切られて一人ぼっちになったばかりで、とても寂しい。

ジョーくんも寂しいと言っている。

だったら、寂しいもの同士、仲良くなってもいいんじゃないだろうか。

みちるさんは、同じような恋愛を繰り返してしまうわよ、と私に注意していたけれど、今度こそは、違う気がする。寂しさの痛みを知ったもの同士なんだから、お互いにいたわりあえる仲に、なれるんじゃないだろうか。

■彼のなれなれしい言葉に…

ジョーさんとのメッセージは、短い文章で、間を開かず、続けられていく。

「同い年なんだね！」

彼はそう書いてきた。友達募集のSNSだからか、彼は最初からくだけた口調で話しかけてくる。

まるで、昔から親しかった相手であるかのように。

学生の頃だったら、男性からこんなフランクなメッセージをもらったら、ちょっとときめいたのかもしれない。でも私はもう、社会人で、仕事をして、敬語も使っている。だから、最初のメールから、いきなり馴れ馴れしい言葉だった彼に、少しだけ驚いた。

でも、悪い人じゃないはず。

寂しくて、すぐに仲良くなりたいから、こんな親しげに話しかけてくるんじゃないだろうか。

そう思ったから、彼とのやりとりを続けた。

彼は就職していないという。

部屋で、株やFXの取引をして稼いでいるという。

「すごいのね。私には難しいからよくわからない」

「俺、外が嫌いだから、できるだけ家にいられる仕事を考えたら、これだったんだ」

と彼が書いてきた。

■突然のメッセージ

小さな頃から、人に囲まれるとすごく疲れていた。だから、家にいたいんだ。

彼は、親友に秘密を打ち明けるかのように、深い話までしてくれた。

「私も、人が苦手」

思わずそう書き込んでいた。

やっぱりこの人とは、気が合う。

私だって、できることならもう、人と関わり合いたくない。

仲良くなったって、裏切られるだけだから、もう傷つくのは、いやだから。

ジョーくんもそう感じてくれたらしい。

「こんな似てる人と知り会えて、嬉しい」

なんて言ってくれる。

盛り上がった頃に、彼が突然切り出してきた。

「今から会わない？」

もう深夜の11時だよ、と驚くと、

「そっちに車で行くからさ。どこ住んでるの？」

お互いに東京、としか伝え合っていなかったから、彼が詳しい住所を尋ねてくる。

途端に私は冷めた。

見知らぬ男の人の車に乗るなんて、そんな怖いことは、できない。

私は慌ててそのSNSを退会し、PCの電源をオフにした。

ジョーくんは、私の運命の人なんかじゃ、なかったのだ。

【Chapter5】第17話に続く