近年、世の中の風潮が変わり、パートナーがいてもあえて結婚しない人が増えています。
法律婚は縛られる要素が多いものですから、結婚しないでよかったこともあるでしょう。ですが、逆に独身でいると大変なことも存在します。そのどちらの要素も踏まえた上で、自分の意思が固まった段階で結婚するのがおすすめですが、具体的には現在はどんな状況で、独身でよかったこと、大変なことにはどんなものがあるのでしょうか。
生涯未婚率とは、50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合を示す統計データです。50歳を超えてから結婚する人は男女共に1%以下で、ほとんど統計上影響がないことからこの線引きがされています。
そして、この生涯未婚率は年々上昇しています。1920年代、およそ100年前の生涯未婚率は2%程度。そこから、未婚率はほとんど横ばいのまま推移していきますが、数値がガクっと上がるのは1990年から。この年初めて男性の生涯未婚率が5%を超えます。そこから10年後の2000年には男性の生涯未婚率は12.6%と格段に上昇、女性も5.8%と低いながら確実に数字が大きくなってきます。
これは、昭和世代の「結婚できない=恥」といった世間的な価値観が徐々に薄れてきたこと、またお見合い結婚よりも恋愛結婚の割合が上がって、恋愛に興味がなかったり、あえて結婚しない道を選ぶ人が増えていることなど、さまざまな要因が考えられます。
結婚をしない人の中には、そもそも恋愛をしないだけでなく、パートナーがいても法律婚をしないカップルもいます。また、事実婚状態で長く過ごしているカップルがいるのも事実です。2020年、LINEが未婚の男女を対象に夫婦別姓・事実婚に関する調査をしたところ、「事実婚をしたい」と答えた割合は全体の1割強という結果がでています。
出典:「PR TIMES」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002752.000001594.html
「事実婚」「内縁関係」の定義はかなり難しいですが、婚姻届を提出していなくても、同居して3年以上経つカップルの場合はおおむね事実婚として認められる場合が多いようです。
自治体や会社のルールに左右されますが、法律上結婚していなくても、「未届の妻(夫)」として扱われ、婚姻状態とほぼ変わらない待遇を受けることが可能な場合もあります。
ほかに、今挙げたように独身は大変だと感じていないから結婚しない人もいれば、経済的事情や、家庭同士の事情で結婚を選択できない人も。人それぞれ事情はさまざまですが、いずれにせよ婚姻率の低下にはパートナーシップのかたちの変化も影響しています。
パートナーがいても結婚しない人がたくさんいるということは、それだけ独身のほうがよいと思っているということ。ここからは独身でよかったことをあげていきますので、今後、結婚するかしないかの参考にしていただきたいです。
まず、結婚することによって発生する親類や家族としてのおつきあい、そして同居することによって自然に顔を合わせるパートナーとの時間などで自然に自分一人の時間というのは少なくなっていきます。
趣味や仕事に精を出している人であれば、ひとりで熱中する時間の大切さがとてもよくわかるはず。この時間を大事にしたい人であれば、独身生活を不便に感じづらいかもしれません。
家事の量は一人暮らしであれば一人分で済みますが、二人暮らしや子供が生まれ、家族が増えるとそれに準じて負担が増えていきます。結婚後、結婚したからという理由で家事の負担が増えることを危惧して踏み込んだ関係になることをためらう人もいらっしゃるでしょう。この点は相談すれば解決できたり、一人暮らし経験がある人なら率先して家事をしてくれたりするものですが、少なからず精神的な負担がかかってなってしまう部分ではあります。気を遣わずに自分のペースで家事ができるのも独身のいいところといえるでしょう。
夫婦になるとお財布が共同になったり、何かあったときの負担を二人で分け合うということが日常になってきたりするものです。もちろん完全に別会計の夫婦もいますが、結婚後は基本的に同居することになりますから、自然に共有するものや二人で消費するものにお金が消えていきますよね。なので、完全に自分の裁量でお金を使えるというわけにはいかないのです。
趣味ややりたいことを自分の優先順位だけで決めることができるのは独身でよかったことのひとつに数えられます。
結婚後の親戚付き合いは、個人差がありますが、親戚付き合いが濃く、頻繁に会うことを習慣的に行っているような家庭もあります。結婚前にある程度わかることではありますが、実際にお相手の家族と自分の相性がどうなるかは結婚してみないとわかりません。
結婚=同居、という考え方はまだまだ根強いです。また、仕事や自分自身の身の振り方がそのまま家族となったお相手へ大きく影響する場合がありますよね。
「今の仕事をやめたいけど、収入が落ちたり激務になるかも……」そんなとき、ひとりの立場であれば自分の意思に沿って決められますが、結婚後はそうもいきません。まず必ず家族へ相談することが必要です。自分の気持ちが赴くままに決断したい人は、こういった部分に独身でよかったと感じやすいでしょう。
続いて、独身だと大変なことを見ていきましょう。
独身で一人暮らしの場合、病気や怪我などで何かあったら身近で頼れる相手が必ずしもいるとは限りません。仲の良い友人であっても大きな困りごとの場合頼るにも躊躇してしまったりしますよね。そんなとき、結婚していればまず最初に頼れるのがパートナー。これは大きな安心感です。
また、自分が年老いてからも友人や家族が健在とは限りませんし、そのときの関係性もわかりません。もしパートナーと老いても仲の良い関係を築けていれば、人生にこれほど頼れる人はいないのではないでしょうか。
法律婚をしていない場合、税金での配偶者控除や医療費控除は適用されません。結婚して得られる税金のメリットが受けられないことは法律婚をしないことのデメリットですよね。
控除以外にも結婚していることで法制度の恩恵を受けられることはよくあります。この点は、一度考えてみては良いポイントかもしれません。
独り身の場合、自分に何かあると収入が完全にストップしてしまうケースがあります。特に女性は非正規雇用で働く人も多いですし、「いざ」というときに困ってしまうことを想定すると、日頃から不安感があったりしますよね。経済的な理由だけを求めて結婚するわけではありませんが、結婚して共働きなら経済的にゆとりを持ちやすいのは事実。特に片方が何らかの理由で収入が途絶えたり、思い切った転職がしたい! と思った場合にも、バックアップしてくれる人がそばにいてくれること。これは結婚することで得られる、心理的な面での大きいメリットでもあります。
以上、独身で良かったこと・独身だと大変なことを挙げてみました。いいことと大変なことを天秤にかけて選択すればいいと言うのは簡単ですが、すぐに答えが出る問題ではなく、決断をしたあとも、どちらがよかったのか考え続けるものだと思います。どちらが正解ということはありませんが、あとになって後悔するということがないように、しっかりと今の自分と将来の自分のことを考えながら行動してみてください。
※2018年3月〜2019年2月の1年間に交際・婚約・結婚を理由に退会届を当社に提出されたお客さま(会員同士・会員外)