結婚している人の割合は時代によって変化します。50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合を示す生涯未婚率は年々増加の一途を辿っており、2015年時点で男性が23.37%、女性は14.06%にものぼります。現在そうなった理由はなぜなのか、そして日本人はどうして結婚しなくなっていったのか、データから推測していきます。
まず日本人全体の婚姻率はどのようになっているのでしょう。 婚姻率とは、現在婚姻している人の割合ではなく、「該当年において一定人口に対し婚姻した値」を表します。厚生労働省が発表した統計によれば、2020年における日本国内の婚姻件数は52万5507件となり、婚姻率は4.3%。前年よりも0.5%ポイント減となっています。
そして、男女別の有配偶者率も統計で発表されています。最新の統計では15歳以上の男性の57.4%,女性の54.0%に配偶者がいることに。高齢化社会ですから還暦を超えた夫婦も含まれるので、年代別にいうと、25~29歳の男性の22.7%、女性の32.3%が既婚。さらに年代を上げると30~34歳では男性の46.1%、女性の57.4%、35~39歳では男性の58.2%、女性の67.7%に配偶者がいることになります。男女差はありますが、30代を終えるころにはおよそ6~7割の方に配偶者がいるということになります。
出典:厚生労働省 令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei20/index.html
いっぽう、未婚率の割合をみていくとこちらも全体的に上昇しています。
未婚者の割合(未婚率)は,男性が31.4%(1669万人),女性が23.2%(1315万人)と,男性の方が高くなっています。これは,男性が女性に比べ初婚年齢が高いことで、若い人の中に未婚者が少ないことからあらわれる傾向です。
さらに未婚率の推移を年齢別にみると,昭和50年ごろから,若い年齢層を中心に未婚率が大幅に上昇しています。特に,女性の未婚率は,25~29歳では昭和60年から平成7年までに17.4ポイント,7年から17年までに11.0ポイント上昇し,上昇幅は縮小しているものの17年には59.0%とほぼ6割の20代女性が未婚となっています。30~34歳では昭和60年から平成7年までに9.3ポイント,7年から17年までに12.3ポイント上昇と上昇幅が拡大して,17年には32.0%となり,昭和25年以降初めて3割を上回る結果となりました。晩婚化の影響は大きく、さらに結婚しない選択肢をとることも一般的になってきたからといえるでしょう。
男性の未婚率も,女性と同様に上昇しており,25~29歳では昭和60年の60.4%から平成17年には71.4%に,30~34歳でも28.1%から47.1%になっています。
未婚率の割合には離婚や死別は含まれません。一度結婚した経験がある方はすべて対象外となります。
40代になると離婚や死別を含めた独身者が多くなりますが、とくに死別が多いのは女性。これは、一般的に男性が年上のカップルが多いことにくわえ、女性の方が平均寿命が長い傾向にあることも原因のひとつと推測されています。
出典:4-1 全国の15歳以上人口の配偶関係
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/nihon/pdf/01-04.pdf
結婚している人=有配偶者率、の割合は低下の一途を辿っています。さきほども述べたように、人口あたりの婚姻率は1947年をピークに下がりつづけており、その世代以降に起こった1970年代のベビーブーム以降、若い世代の人口も増えることなく減っています。70年代生まれといえばいまでは還暦も近いような世代。そのため、有配偶者率は男性は65~69歳の85.3%,女性は50~54歳の80.9%をピークとした「山型」を形成。婚姻率が低下していることにはさまざまな原因が考えられますが、
若い人の人口が減っていることなど、様々な社会問題が背景にあるのかもしれません。
どうして年を経ることにより、ここまで婚姻率が低下しているのでしょう。その理由には、以下のようなものが考えられます。
男女雇用機会均等法が発令されるまで、そして発令されてからも、男性が働いてお金を稼ぎ、女性が家を守るという考え方は社会に浸透したままでした。しかし、女性の社会進出が進み、今では女性が働いていることはあたりまえ。結婚していても共働き家庭が多く、キャリアを求め、男性に頼らないという価値観の女性も多いのではないでしょうか。
しかしその一方で子育てを楽しみたい、自分の描く家庭の理想像は女性が取り仕切るもの、といった価値観を持つ方も男女共にいらっしゃいます。結婚生活へ求める理想像が多様化したからこそ、お互いの価値観を尊重することが難しくなっているのかもしれません。交際は順調であっても、結婚に対する価値観の違いから別れを選択するカップルも少なくありません。
昔は、親類や会社の上司などが結婚につながる出会いの世話をするということもありましたが、現代ではそれはプライベートに踏み込みすぎたタブーということに。現在では、仕事=人生そのもの、ではなく、ワークライフバランスという言葉にもあらわれるように仕事とプライベートのことは切り分けるようになりました。そのため、社会の変化により、人間関係がある程度切り離されたことによって、出会いや恋愛へとステップを踏み出したり切り替えることが昔よりも難しくなっていることもあるようです。
経済成長が停滞しており、税金の負担は増加。収入は年次ではなく能力で支払われる会社も増え、また女性は非正規で不安定な雇用形態で働く方も多いです。そのため、経済的な不安から結婚に踏み切れないカップルも実際に多くいます。結婚したい意思はあっても、婚活にもお金はかかりますし、将来的に収入が増えるという見込みが必ずしもあるわけではありません。社会全体に広がる不安な空気は単にお金の問題だけではなく、お互いを支え合うことは難しいかも…とカップルと結婚の関係にも影響を及ぼしかねない問題のようです。
婚姻率の低下を少子化などにつなげて悲観的に考える人もいれば、結婚をしたくない人が無理にしなくてもよくなった多様化の時代の証だと前向きに捉える人も多いのが今の時代。そもそも婚姻率が高かった時代は、お見合いや家族の圧の強さからしたくない結婚を強要されていた人も少なくなかったのかもしれません。けれど今は結婚をしてもしなくてもそれは個人の意思の問題、と考える人が増えています。
自分に合った結婚観やライフスタイルを目指せる時代だからこそ、逆にいうと難しくなっているのかもしれません。そんな時代だからこそ「婚活サービス」を試してみてはいかがでしょうか。まずは様々な「婚活サービス」を試したり、話を聞きに行ったりするのもよいでしょう。
※2018年3月〜2019年2月の1年間に交際・婚約・結婚を理由に退会届を当社に提出されたお客さま(会員同士・会員外)