現代は、結婚相手との出会い方は多様化しています。今や婚活アプリを使った出会いも一般的になっていて、 “自然な出会い”の1つになりつつあり、お見合いで出会ったとしても、好きになって結婚したのであれば、「恋愛結婚」だと言ってもいいくらいです。
どんな出会いのきっかけであっても、できることなら「この人と人生を一緒に生きていきたい!」と本気で思える相手と結婚したいもの。
そんな幸せな結婚を掴むためにも、「婚活を始める前に大切な心構え」があります。
恋愛に限らずですが、人といい関係を築くためには、まずは、「自分自身といい関係を築く」必要があります。そうでないと、自分の中にあるコンプレックスなど“負の感情”によって、残念な言動をしやすくなってしまうので、大切な関係を壊しかねません。
また、いい人間関係を築くための基本は、「相手をよく理解すること」です。でも、私たちは意外と、自分自身のこともよく分かっていないことが少なくないもの。自分のことすら理解できない人が、人のことを理解するのは難しいでしょう。
だから、まずは「きちんと自己と向き合うこと」が大切。例えば、自分が本当に「好きなもの」「苦手なもの」「生活する上で優先順位が高いもの」「生きる上でのポリシー」などは、きちんと理解しておいたほうがいいでしょう。
なぜ、わざわざ“本当に”なんてワードを付けたのかというと、私たちは自分にすら嘘をつくことが多いからです。
例えば、本当は「自然溢れる、ゆったりした環境」が好きなはずなのに、SNSやメディアの影響を受けて「キラキラと華やかでオシャレな環境」が好みなのだと思い込んでいたり、ファッションでも、本当に好きな恰好よりも、「人からステキだと思われるもの」「流行っているもの」を着てしまったり……。
そうやって“本当の自分とは違う人物”を無自覚に演じ続けてしまうと、どんどん自分のことが分からなくなってきます。
それにより、恋愛においても、「本当は、自分はどんな人が好きなのか」「どんな人と相性がいいのか」が分からなくなってしまうのです。「自分が好きかどうか」よりも、「人からの見え方、評価」ばかり気になってしまうこともありますしね。
自分をよく理解するためにも、意図して自己と向き合う時間を持つことは大切。思ったこと、感じたことを誤魔化さずに認識する力が必要なのです。
例えば、「日記を書く習慣」をもったり、普段から感じたことをメモするための「ノートを持ち歩く」ことをしたり。自分に合う方法で、自己と向き合ってみるといいでしょう。
自分を受け止め、認められない人は、他の人のことも(悔しくて)認めにくいもの。さらに、人から褒められることがあっても、「どうせ、私(僕)なんて……」という気持ちが強いので、素直に喜べません。それで、人付き合いがこじれやすくなってしまうことも。
また、自己肯定感が高いかどうかで、人に与える印象は随分、変わってきます。
例えば、「これ、すごくおいしいから、よかったら食べてみて!」と勧められたお菓子と、「これ、おいしいかどうかわからないし、大したものではないけど、よかったら食べてみて……」と自信なさげに渡されたお菓子、あなたは、どっちを食べてみたいと思うでしょうか?
基本的に、前者のほうだという人は多いでしょう。自己を認められない人は、自信がないので、相手に対して「おいしいかどうかわからないし、大したものではないお菓子」のような印象を与えてしまいます。それはもったいない!
誰よりも“自分の味方”になって、堂々と勧められるようになったほうがいいし、そのほうが相手にも「魅力のある人だ」と思われやすいでしょう。
自己肯定感を上げるためには“自分が好きな自己”にならないといけません。例えば、人に意地悪ばかりしていて、そんな自分の性格を好きではないのに、自己肯定感が高くなることは、まずありません。
性格は、本人の強い意志があれば、変わります。実は、多くの人は優しい人になりたいし、人を喜ばせられるような人になりたいと思っています。
でも、この世知辛い世界において、自分を守るために利己的な言動をしてしまう人が少なくありません。つまり、心の奥底に優しさを持っている人は多いのです。
自己犠牲をして無理をするのはよくありませんが、昨日より今日、今日より明日と、少しずつ優しさを持てるようになることで、どんどん自分を好きになっていくことは多いです。
その他のことでも、自分が気になる欠点があるときは、無理し過ぎない程度に少しずつ改善していきましょう。ただし、自分には欠点だと思っているところが、人には長所や魅力だと思われることもあります。
例えば、ぽっちゃり体形が気になっているのだとしても、そういう体形が好みの人もいるのです。
だから、多様な価値観と広い視野を持つことも大切なのですよね。
究極なことを言ってしまうと、自分を愛せない人は、人を愛せません。人を愛せるほどの「愛」を自分の中に持っていなくて、愛が足りない状態なので、人に与えられる余裕がないのです。
さらに、「人から愛されると、愛が増えるもの」だと勘違いしがちですが、むしろ逆。愛は、自分が愛すれば愛するほど、自分の内側から増えていくものです。
実際に、好みではない異性に「好きです!結婚してください!!」と言われても、嬉しいどころか、むしろ迷惑だと感じてしまうこともありますが、片思いの愛しい相手がこっちを振り向いて、ニコッと笑ってくれるだけでも、心の中に花が咲くことがありますよね?(笑)。
それは、「自分の中に愛が増えたかどうかの違い」。つまり、「自分が好きかどうか」というのが、すごく大切なのです。
さらに、本当の愛というのは、相手がどんな姿になっても受け止め、愛し続けたいと思うもの。条件付きではない、“無償の愛”です。
でも、私たちは、自分に対しても、“条件付きの愛情”を抱きがち。「勉強ができない自分が嫌い」「友達が少ない自分は、ダメな人間」とか。そういう部分もひっくるめて全て受け止め、愛するのが、本当の愛なのです。
愛するとは、「“ありのままの自分”を受け止め、成長を願うこと」です。完ぺきではない自分も愛し、成長していくことが大切。それができるようになると、人に対しても、本当の愛を注げられやすくなるでしょう。
結局、自分自身にできないことは、人にはできません。だから、まずは、自分自身を本当に愛することが大切なのです。
人を愛せるようになると、愛されやすくなります。さらに、「類は友を呼ぶ」というように、自分が愛せる人になることで、「人を愛せる人」と縁が出来やすくなります。
これは、自分が愛を理解することで、その相手が「人を愛せる人かどうか」を見抜きやすくなるから、というのも大いにあるでしょう。
現実的に、どんなに容姿端麗で高収入のエリート会社員であっても、「人を愛せない人」はいます。当たり前ですが、恋愛、結婚は、「人を愛せる人」としたほうがいい。そうでなければ、苦しみます。
だからこそ、まずは自分が、自己を愛し、人を愛せるようになることが大切なのです。
ここまで、「婚活を始める前に大切な心構え」を3つ紹介しました。単に「恋愛、結婚すること」と、「自分を愛し、人を愛し、幸せになること」は、似ているようで全然違います。幸せになるためにも、まずはこの3つができるようになりたいものですね!
コラムニスト・ひかり
2011年からずっとAll Aboutの恋愛・人間関係ガイドとして活躍し続け、2018年にAll Aboutの「2017年度MVP(恋愛部門)」を受賞。30、40代の独身女子に支持される、等身大コラムニストとして人気。
今年は、「“子供おばさん"にならない、自分らしい恋愛」(ステップモア)を出版した。
ブログ「ホンネの “子供おばさん"日記」と4コマ漫画「子供おばさん」で、アメブロ公式トップブロガーとしても活動している。
※2018年3月〜2019年2月の1年間に交際・婚約・結婚を理由に退会届を当社に提出されたお客さま(会員同士・会員外)