自分に自信がなくて、「こんな自分では結婚できない」と諦めてしまう人がいます。ただ、本当に結婚したいのであれば、まずはその思考から変えて、前向きに婚活を始める必要があります。
まず前提として知っておいた方がいいことがあります。それは、どんな欠点があることよりも「自信がないこと」自体が、魅力を損なわせてしまうということです。
例えば、人に何かお菓子を薦める時に、「これ、美味しいから食べてみて!」というのと、「これ、美味しいかどうかわからないし、まずいかもしれないけど、よかったらあげる」と言われるのでは、相手に与える印象は随分、違ってきます。
「私(僕)は、素敵な人間なんだ。人に愛されるべき人間なんだ」と心から思える人には、相手に「魅力的な人だ」と思わせる説得力が出てきます。
だから、お見合いの席でも、「自信はないけど、こんな自分でも受け止めてくれればいいなぁ」ではなく、誰よりも「自分を認め、薦められる人」になる人になったほうが、うまくいきやすいでしょう。
自分に自信のない人の多くは、自分の容姿にコンプレックスを抱いていることが少なくありません。確かに、美男美女であるだけで得する場面というのは、現実的にあります。
ただ、結婚は「美人(美男子)コンテスト」ではないので、そこで1位になる必要はありません。
現実的に、世の中の結婚している人たちは、美男美女しかいないでしょうか?……そんなことはないですよね。
結婚は、たった一人の人を愛し、その人から愛されればいいので、全ての人に好感をもたれる人になる必要はないし、そもそも好みは、「人それぞれ」です。
自分は「ぽっちゃり体形」だと悩んでいたとしても、中には「スリムな人よりも好み」だという人もいます。
美しさ、カッコよさに正解はありません。一昔前と現代でも、美男美女の特徴は変わってきているし、国によっても違います。
だから、自分が「メディアで紹介するような美男美女像」に当てはまらなくても、気にすることはありません。
それよりも、今の自己をきちんと受け止め、自分なりに輝くことが大切なのです。
もちろん欠点だと思うところを改善したらもっと自己を認められるようになるのであれば、ダイエットでもイメチェンでもチャレンジしたほうがいいです。
でも、問題は、そこではないことも多々あります。……というのも、世の中には、美しくなるために整形手術を繰り返してしまう人がいます。どんなに美しくなっても、満足できなくなってしまうのです。
そういう人は、美しくないからではなく、「自分自身を受け止められない」という心の問題を抱えてしまっていることが多いでしょう。
自分を受け止められるようになるのは、単に姿形を変えればいい、というわけではありません。自分の内側から「自分への愛」を出せるようになることが大切です。
自分を愛するというのは、「“ありのままの自分”を受け止め、成長を願うこと」です。それは“無償の愛”です。例えば、「痩せた自分は愛せるけど、太った自分は愛せない」というのは、“条件付きの愛”であり、本当の愛ではありません。
もし「自分への愛」を出せるようになれば、ぽっちゃりであっても、容姿端麗でなくても、加齢と共にシミ、シワが増えたのだとしても、そんな自分すらも愛おしく感じられるようになります。
自分を愛するためにも、まずは「自分自身をよく知る」ことは大切です。ノートでも何でもいいので、自分の好きなところ、嫌いなところなど、書き出してみるといいでしょう。
自分では短所だと思っていても、人から見たら長所のこともあります。意外と欠点だと思っているところは、「長所と紙一重」であることも多いもの。例えば「せっかち」なのだとしても、「時間を守る」という長所が隠れていることもあります。「おおざっぱ」の人は、「大らかさがある」とも言えます。
もちろん人に迷惑をかけるような短所は直したほうがいいですが、そうでない場合は、短所も長所も、“自分自身の特徴”だと思って、受け入れてしまったほうがいいこともあるのです。
無人島で暮らしていて、劣等感を抱く人は、ほぼほぼいないでしょう。それは、どういうことかというと、残念ながら、現代は、自信を失わせたり、劣等感を抱きやすかったりしやすい社会環境になってしまっているということ。誰かと比べて劣っていたり、“何か「正解」だと言われているもの”に自分が当てはまっていなかったりすると、自信をなくしてしまうことが多いのです。
私たちは、受験戦争、就職試験、出世争いなど、子供のころから誰かと競い合い、ポジションを奪い合ってきた経験をしてきています。
でも、いい大学に行き、一流の会社に就職し、出世する人など一握り。だから、大半の人に「誰かに負けた経験」はあり、挫折感や劣等感を抱きがちです。
そもそも「いい大学に行き、一流の会社に就職し、出世すること」が、人生の正解とは限りません。幸せになれなければ、意味がないですしね。だから、劣等感なんてもつ必要はないのです。
一度、これまで刷り込まれている“一般的な価値観”を取っ払って、「自分にとっての価値観」を持つようにすることは、幸せに生きるためにも大切なことです。
また、多くの人は、メディアを通して“自分以外の素敵な人”を見本にし、真似をしがちです。それで、「自分はどうがんばっても、●●さんのように、美しくなれない(かっこよくなれない)」と劣等感を抱いてしまうことがあります。それは、とても残念なことです。
私たちは自分自身にしかなれません。逆に、他の人がどんなになりたくても、あなたにはなれません。
「自分」は1人しかいないのだから、その素材を生かしていったほうがいいです。“自分以外の素敵な人”になる必要はないのです。
テレビでダイエット特集をやっていても、人によって体質は違うので、「ちょうどいい体形」は違ってきます。スリムでなくてはいけないなんてことはありません。
メディアや情報を鵜呑みにし、振り回される人ほど、自分自身のことを分からなくなってきます。それで、「メディアが素敵だと紹介している人物像」に自分が当てはまらないと、自信をなくしてしまうことが多いのです。
他の誰かになる必要はなく、もっと自分自身を知り、自分の素材を活かし、「自分がなりたい姿」になっていけばいいだけのこと。
そうしたら、もっと自分のことを認められるようになるし、内側から輝きます。
「自分の価値観」をきちんと持てるようになると、同じく「自分の価値観」をきちんと持っている人と縁ができやすくなります。そのほうが、メディアが伝えている“幸せのようなもの”ではなく、“自分らしい幸せ”を手に入れられる可能性は高いでしょう。
容姿に限らず、収入、職業、年齢などに劣等感を抱いている人はいますが、努力だけで改善できるものばかりではありません。その場合、「劣等感を抱いていること」をなくそうとすることよりも、「欠点を上回る魅力」を得ることを目指したほうがいいでしょう。
基本、短所は“その人の特徴”なので、直すのは簡単ではありません。でも、長所を伸ばすことは「得意なこと」でもあるので、容易なことが多いのです。
例えば、収入が低くても、一緒に暮らすと快適になるくらいの家事力を身につけたり、年齢が高くても、包容力をもったり、その他で条件が悪いところがあったとしても、前向きで楽しい話術を磨いたり……。
とにかく、相手に「楽しかった。また会いたい」と思わせることができる人は、条件があまり良くなくても、次につながりやすくなります。
個人的には、「収入が高いこと」以上に、「優しくて思いやりのある人柄」のほうが結婚生活には大事だと思うもの。“表面的な条件”ばかりを気にするよりも、自分自身の人間力を磨いたほうが、同じように“人の中身を見られる人”とのご縁ができやすくなるでしょう。
現実的に、好条件な人ほど、条件だけに釣られて寄ってくる人にはうんざりしていることも少なくないですしね。自分自身も、条件だけでなく、相手の中身をきちんと見られる人になったほうがいいでしょう。
厳しいことを言うと、結婚はボランティア活動ではないので、自分に自信がない人が、「こんなダメな私(僕)だけど、どうか結婚して、幸せにしてください!」と願っていても、うまくはいきません。
そんな他力本願ではなく、まずは自分で自己を幸せにすることができ、その上で、「結婚する相手のことを幸せにしたい」と思えるようになったほうがいい。それだけの自信と愛を持てる人であれば、結婚したいと思う人は現れやすくなります。
まずは、自分が「自分自身の一番の味方」でいてあげることが大事!
自分の魅力を理解して、自信を持ち、「結婚したら、パートナーを幸せにするぞ!」と思える人でいたいものですね。
コラムニスト・ひかり
2011年からずっとAll Aboutの恋愛・人間関係ガイドとして活躍し続け、2018年にAll Aboutの「2017年度MVP(恋愛部門)」を受賞。30、40代の独身女子に支持される、等身大コラムニストとして人気。
今年は、「“子供おばさん"にならない、自分らしい恋愛」(ステップモア)を出版した。
ブログ「ホンネの “子供おばさん"日記」と4コマ漫画「子供おばさん」で、アメブロ公式トップブロガーとしても活動している。
※2018年3月〜2019年2月の1年間に交際・婚約・結婚を理由に退会届を当社に提出されたお客さま(会員同士・会員外)