結婚相談所に入会する契約を交わしたものの気持ちが変わってしまった場合、すぐに解約ができるのでしょうか。また、訪問販売や電話勧誘などによる契約の解消時によく聞かれる「クーリングオフ」の対象になるのでしょうか。
ここでは、結婚相談所でクーリングオフをする場合の条件や、その詳しい方法についてご紹介します。
クーリングオフとは、サービスや商品の申し込みや契約をしたあとであっても一定の期間内であれば無条件で申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度のことです。取引の内容によってクーリングオフが可能な期間は異なります。
訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入
連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引
上記の取引に該当する場合、それぞれの期間内であれば原則クーリングオフが可能です。
では、結婚相談所を途中で退会したくなったときはクーリングオフの対象となるのでしょうか。
結婚相談所は、前述の「申し込み・契約後8日間はクーリングオフ可能」とした「特定継続的役務提供」に分類され、特定商取引法の規制対象となっています。そのため、次の条件を満たせばクーリングオフが可能です。
結婚相談所の契約をクーリングオフしたい場合は、まずは上記の条件を満たしているかを確認する必要があります。
クーリングオフ期間が経過したあとに契約を解除する場合は、中途解約の扱いになります。
クーリングオフは完全に申し込み・契約をキャンセルできるため返金がありますが、中途解約の場合、結婚相談所によっては違約金が発生する可能性があります。ただし、結婚相談所の場合、事業者が消費者に対して請求できる金額の上限は3万円と定められています。トラブルを避けるためにも、入会する際に中途解約に関する約款をしっかり確認しておくことが大切です。
結婚相談所でクーリングオフをする方法は以下のとおりです。
結婚相談所の契約をクーリングオフする際は書面か電話で申請します。電話の場合は、申請について伝えた記録が残らないため、不必要なリスクを避けたい場合は書面で申請するのがよいでしょう。
クーリングオフの書面は契約解除の申請者が用意し、期間内に業者側に送ることで手続きをおこなえます。なお、消印が契約日から8日以内であれば、仮に期間を過ぎてから業者側に到着したとしてもクーリングオフを実行することは可能です。
書面を送る際は特定記録郵便や内容証明郵便で送りましょう。
郵便物を差し出した記録を残すことができる
「いつ、どのような内容の文章を、誰が誰に差し出したか」を、差出人が作成する謄本によって証明できる
書面には次のような内容を記載します。
6の「クーリングオフの意思を表す文章」に定型文はありませんが、以下のような内容が一般的です。
「私は、令和〇年〇月〇日に下記のコースの契約を申し込みましたが、本日、この契約または申し込みを解除あるいは撤回します。」
ちなみに、クーリングオフに理由は不要ですので、上記の書面に記載する必要もありません。
結婚相談所に入会したもののクーリングオフをしたくなる理由として、国民生活センターの事例には次のようなものが挙げられています。
強引な勧誘・要求で入会した場合も、契約を後悔してクーリングオフしたくなるケースが多いようです。例えば「今すぐ入会しないと年齢的に結婚できなくなる」などの言葉で不安を煽り、強引に入会を勧められた場合などがこれにあたります。
あまりにも強引な勧誘・要求があったと認められる場合は、クーリングオフ期間を過ぎても契約の取消や無効を主張することが可能です。クーリングオフ以外の救済措置としては「詐欺・脅迫による取消し」などがあり、要件を満たせば契約を取り消せます。
アドバイザーに対する不満もクーリングオフの理由になります。結婚相談所ではアドバイザーがさまざまな相談に乗ってくれますが、相性が悪かったり対応に不満があったりすると、婚活自体がうまくいかなくなってしまいます。特に、上から目線でアドバイスをしてきたり、気に入ってもいないお相手を強引に勧めてきたりするようなアドバイザーが担当になってしまうと不満が募ります。その結果、クーリングオフをしたい気持ちに結びついてしまうのです。
結婚相談所のアドバイザーとの相性を見極める方法は、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
「婚活成功のカギを握る結婚相談所のカウンセラーの相性の見極め方」
婚活へのモチベーションがなくなってしまうと、結婚相談所で契約を続ける意味が見出せなくなります。入会はしてもモチベーションが上がらず、退会したくなるというのも、結婚相談所のクーリングオフにつながる理由の一つです。
結婚相談所とのトラブルを避けるためには、以下のような点に気をつける必要があります。
結婚相談所には、全国展開をしているような大手から個人経営まで、さまざまな相談所がありますが、入会後のトラブルを避けるためには自分に合う結婚相談所を見極めることが大切です。入会金や月会費などの費用、中途契約の違約金など金銭面はもちろんのこと、サービスの内容、アドバイザーの評判に関する口コミなどもチェックしておくと安心でしょう。
また結婚相談所には、アドバイザーからお相手の紹介を受ける「仲人型」、システムからお相手を選定する「データマッチング型」、その両方の特徴を兼ね備えた「ハイブリッド型」の3つのパターンがあります。このパターンの違いによっても、自分の希望する婚活の進め方に応じた相談所を見極めることができます。
仲人型とデータマッチング型、それぞれのメリット・デメリットは以下の記事で詳しくご紹介しています。
「結婚相談所の選び方は?「仲人型」「データマッチング型」の特徴を知ろう!」
また、以下のページでは大手結婚相談所5社の料金や出会いのスタイルを解説しています。ぜひご覧ください。
「大手結婚相談所5社の比較」
結婚相談所に入会する際は、途中で退会することを想定していなくとも退会方法や契約内容を確認しておくことが大切です。退会時にスムーズに手続きを進めるためにも、入会時にはサービス内容だけでなく詳しい約款にまで目を通しておくことをおすすめします。
結婚相談所の契約は、一定の期間内であればクーリングオフが可能です。また、強引な勧誘などがあった場合はクーリングオフ期間を過ぎても契約を取り消すことができます。
結婚相談所の契約に不安を抱いている方や実際に悩みを抱えている方は、この記事を参考に、より有意義な婚活を進めましょう。
※2018年3月〜2019年2月の1年間に交際・婚約・結婚を理由に退会届を当社に提出されたお客さま(会員同士・会員外)