成婚カップルの婚活体験談・エピソード

「自分と同じ尖った趣味を持った人に出会えるなんて」趣味に生きるアラフォーカップルが成婚退会するまで

出会ってから半年で成婚退会したIさんとHさん。二人を結んだのは、「猫」と「ゲーム」という共通の好きなものでした。

活動期間が6年という長丁場になったIさんと、「39歳なんて相手にされないんじゃないか」という想いを抱きつつ入会したHさん。二人が出会って、成婚退会するまでの経緯をお聞きしました。

お二人のプロフィール

  • Iさん

    年齢
    43歳
    出身地
    大阪府吹田市
    職業
    会社員(システムエンジニア)
    趣味
    ゲーム、バイク、料理全般
    入会期間
    6年
    入会店舗
    ツヴァイ横浜店

  • Hさん

    年齢
    40歳
    出身地
    茨城県鉾田市
    職業
    ゲームデザイナー
    趣味
    ゲーム、絵を描くこと
    入会期間
    6ヶ月
    入会店舗
    ツヴァイ新宿店

私は相手にされないんじゃないかと期待していなかった

婚活を始めたきっかけを教えていただけますか?

Iさん家族が欲しくなったというのが一番の理由ですね。私自身はずっと一人で暮らしていたのですが、10年ぐらい前に家族連れが多いマンションに引っ越したんです。日常の中で同じマンションの住むご家族とすれ違うことが増えていく中で、自分の中で結婚願望のようなものが溜まっていったのが結婚相談所に入会するきっかけだったかなと思います。
他社と比較したわけではないのですが、ネットで結婚相談所を検索していたときに、ツヴァイさんは身元の確かな人に出会えそうだという、信頼を覚えることができました。

Hさんぶっちゃけてしまいますと、2年少し前までお付き合いしている人がいたんですが、お別れしまして。私の趣味はインドアなこともあって、あまり外に出ないので、仕事以外で知り合う男性なんていないんですよ。さらに40歳になると、一人で生きていく人生が見えてきてしまって……でも、それはちょっと寂しいじゃないですか。最後のチャンスのつもりでやってみようという気持ちで婚活を始めました。
ツヴァイさんに決めたのは、家の近くに店舗がある大手だったからです。ネットでガーッと検索をかけたときに見つけて、そこそこ大きいところなら人数もいるし、誰かしらは相手にしてくれるだろうと。実際にお話も聞きに行ったのですが、初めてのことなので正直なところ、情報量が多くてわからなかったんです。ただ、こういうときに悩んでしまうと始められないので、半ば勢いで入会を決めました。

実際に入会されてみて、いかがでしたか。

Iさん私はけっこう長いこと活動してたんですけど、うまくいかなかったですね。付き合って別れてみたいなとかを繰り返して……仕事が忙しすぎて長いこと休会してた時期もありましたし、ガッツリ活動した時期もトータルすると1年ぐらいあったような気がするんですけど、それを踏まえても順調だったとは言い難いですね。

Hさん私は結婚相手というよりも、この先一緒にやっていけそうな人を探す出会いの一種のように考えていましたし、私は当時39歳でしたから恋愛対象にはならないだろうと、あまり期待しすぎずに入会したんですね。
おまけに私はもともと家に引きこもりがちですし、自分が長く活動できないとわかっていたので、短期間で活動して「いいな」って思ってくれる人がいたらいいなと思っていました。だから、うまくいかないと思ったことはなかったですね。
逆に、自分で条件を絞って探すのが難しかったかもしれません。私の条件は、「同じ趣味を持っている同年代ぐらいの人」くらいだったので。あとは、ちゃんと働いていて、同じぐらいの年収があればいいかなと。なので、声をかけていただいた方に実際に会って、「この人いいな」って思えたら、すぐに退会するつもりでした。

お二人はどのようにして出会われたのでしょうか。

Iさん私から申し込みました。一番惹かれたのは、猫ですね。私は猫を飼っているので、猫と暮らすことに抵抗がない方じゃないとどうしようもなくて。Hさんも猫を飼っているので、その点は100%クリアじゃないですか。しかも、ゲームが好き。話が合いそうだなと思って、申し込みました。

Hさん実はIさんは最初に声をかけてくださった方なんですよ。説明を受けて、必要書類を提出する前後でメッセージが来ていて。お声掛けいただいた方には会うと決めていたので、まずは会ってみることにしました。

初めてのお見合いはパーティードレスで喫茶店へ

初回はどのような場所でお話されましたか。

Iさん下北沢の喫茶店ですね。

お互いの第一印象を教えていただけますか。

Iさん写真通りの方が来たなと思いました。

Hさん私は……これは笑い話として聞いてほしいんですけど、初めてのお見合いで勝手がわからなくて、ドレッシーな服装で行ってしまったんです。そしたら待ち合わせ場所が普通の喫茶店で、Iさんの普段通りの私服でいらしていて、すごく恥ずかしくて……。

Iさん冬だからコートを着ていて、最初はわからなかったんですよ。でも、喫茶店に入ったらド派手なドレス着ていて……。「友人の結婚式の帰りでしたみたいな感じを醸し出しておけばいいんじゃない?」みたいなことを言った気がします。

Hさん私の失敗に乗っかってくれて、その後は話がえらく弾みましたね。

Iさんお互いが飼っている猫の話をしたり、昔遊んでたゲーム機の話をしたり。私は男でも知らんわっていうような昔のゲーム機を持っているのですが、その話をしても全部通じるっていうのがうれしくて楽しくて。結局2時間くらい話していたよね。

かなり盛り上がったんですね。次のデートはどこに行かれたのでしょうか。

Hさんその次のデートは、年が明けた後の初詣でした。初めて会ったときがクリスマス前後で、次は動物園に行こうという話になっていたのですが、そのころはちょうど私が1日に3人とお見合いしていた時期で……次に会うとしたら年を越してしまうなと思ったので、せっかくだし、初詣に行こうと。

Iさん神社にお参りして、東京タワーに行って、18時前に解散したよね。神社の出店がたくさん出ていて、気になるものを買って食べながら歩いたのが楽しかったですね。

初詣以降は、どのようなデートをされたんですか?

Iさんその後のデートでは、動物園や同人誌のイベント、フィギュアのイベント、私が好きなバイクが見られる東京モーターショーなんかにも一緒に行きました。2人ともオタク的な趣味がけっこう合うので、楽しいんですよね。

Hさん私が趣味に生きている人なので、私の趣味を理解してくれない人だと困るなという気持ちがあって。だから、私の趣味の中でもディープなほうのイベントに一緒に行ってもらって、どんな反応をするのか見てみたかったこともあります。思った以上に受け入れてくれて、すごくうれしかったのを覚えています。

お互いの距離を縮めた「坊主バー」での一夜

真剣交際に進むことになった日のことについて教えていただけますか。

Iさん正式にお付き合いするときも、プロポーズのときも、「付き合ってください」「結婚してください」といった言葉があったわけではなくて、自然な流れというか。

Hさん普通に会って遊んでる状態が楽しくて「これからどうしようか」みたいに軽く話し合った感じです。お互いに40年生きていると、自分のこともよくわかっているので、自分はどういう人で、どういう懸念があるのかといったことを包み隠さず話したりとか。

Iさん譲れない条件があるかとか、病気や借金はないよねとか。一方が「結婚したら絶対に子どもは欲しい」と思っているのに、一方はそうではないとか、そういう食い違いがあったら後でどうしようもないので。「これはさすがに」っていうものがあったら、まずは正直に話し合うことはしてきましたね。
きっかけになったのは、坊主バーに行ったときのことなんですけど。

坊主バー、ですか?

Iさん本物のお坊さんが経営してるバーなんですよ。一般的なバーなんですが、マスターみたいな立ち位置にお坊さんがいらっしゃるバーで。そこに2回目行ったときにけっこう話しこんで、お互いの過去の話をしてけっこう盛り上がってたんですね。そこで心の距離が近くなったのかなと、私は思っています。すごく盛り上がって、危うく終電逃しかけたくらいです。

Hさん確かに生まれ育った家庭の話とか、すごい深い話を。こっちが話したら、Iくんも話してくれるかなと思って、思い切って話した気がします。

手をつないだり、名前の呼び方を変えたりしたタイミングがあれば、教えていただけますか。

Hさん手はつないでいないんじゃないかな。私のほうは抵抗がないので、いつでも待ってるんですけどね(笑)。名前はどのタイミングか忘れてしまいましたが、Iくんと呼んでいます。

Iさん私はHさんのままですね。何かこだわりがあって、そうしているわけではないのですが……何もかも自然に、という感じです。

「一緒に住むなら、今の家は引き払います」が事実上のプロポーズ

プロポーズのシチュエーションについてお聞かせいただけますか。

Iさん実は、正式にはプロポーズをしてないんです。4月末ぐらいに、結婚するかしないかを決めるために一緒に住もうかっていう話をしてたんだけど、Hさんのほうでは認識が違ったみたいで。5月のゴールデンウィークに会ったときには、Hさんは「一緒に住むんだったら、今住んでるところはとっぱらって行きます」と言ってくれて、覚悟のようなものを感じて、それがプロポーズのようなものかなと思ってました。

Hさん私がかなり盛り上がってしまっていたんですよね。Iくんはめちゃめちゃ話が合うし、私の趣味にも付き合ってくれるし、他にこんないい人なんていないなと思って。こんなことを言うのもお恥ずかしいですが、すごく好きだったんです。私の気持ちはこういう状態だから、あとはIくん次第だよと。そういう気持ちが伝わったのかもしれないですね。

お互いのご両親にご挨拶はされましたか。

Iさんいえ、これからですね。親には早々に話をしていて、とくに母親は喜んでいましたね。ただ、結婚相談所に登録していることは伝えていたものの、お付き合いしている方がいるとは伝えていなかったので、伝えたときはびっくりはしていました。

Hさん私は結婚相談所で婚活していることを含めて一切言っていなかったんです。LINEで伝えたら驚いたのか反応が薄くて、「ちゃんとわかってる?」と電話で確認したくらいでした(笑)。

Iさんあと、猫ちゃん同士の挨拶も済ませなくちゃいけませんね。お互いはお互いの猫ちゃんに会っているんですけど、猫ちゃん同士は会っていないんです。体格差が2倍くらいあるので、楽しみであり、大丈夫かなという気持ちもあり。

入籍や結婚式もこれからですか?

Iさん入籍はこれからで、今は婚姻届を書いているところです。挙式の予定はないので、のんびりと準備を進めようと思っています。

「結婚相談所への不安や偏見があったけど、入会したら楽しかった」

お2人はこれからどんな家庭を築いていきたいですか。

Iさん端的に言うと、今の関係をこのままずっと続けられるのが多分理想だなって。お互いの趣味で一緒に遊びに行ったりとか。でも、お互いに尖った趣味もあるので、なんでもかんでも一緒ではなく、お互いを尊重しながらやっていけるように頑張りたいですね。

Hさんそうですね。Iくんの気持ちとほぼ一緒で、私も楽しく過ごしたいですね。この後の人生は楽しく笑って生活していきたいですし、Iくんとだったらそれができるんじゃないかなと思ってます。

婚活を経てよかったことや変わったことがあれば、教えていただけますか。

Iさん人との関わりについては学びが多かったかもしれません。私はプライベートで友人がほとんどいなくて、人と会ったり話したりするのが仕事関係の人ばかりだったので。

Hさん私はもう、いろいろなことが変わったと思います。40歳になると男性に興味を持たれなくなるのがわかっていましたから、女性としてちゃんとしないと失礼かなと思って。まず、オシャレをするようになりましたし、コンタクトをつけるようになったりとか。
結婚相談所に入会する前は、正直なところ、ちょっと怖かったんですよ。自分の年齢がずっと気にかかって、誰も相手にしてくれないんじゃないかみたいな偏見もありました。でも、実際にやってみたら声もかけていただけるし、男性と接点がなかったところにいきなり入ってお話しても普通に話してくれるし。最初は短い間ですけど話が盛り上がるときもあるし、いろんな人に会って楽しいんだなって。思ってたより怖くないんだなということをしみじみと。実際に、すごくいいなって思う方に巡り合えたし、偏見を持っちゃいけないなって思いました。

最後に、これから婚活を始める方にアドバイスがあれば、お願いします。

Iさん私は長い期間がかかっちゃったんですけども、諦めずに頑張って活動していれば、「この人だ」っていう人に会えると思うので、諦めずに頑張ってくださいと伝えたいですね。

Hさん私は最初に会った人が一番いい人だったというすごくラッキーなケースでした。でも、かつての私みたいに入会前に「怖い場所なんじゃないか」とか「私なんかが登録して大丈夫かな」と偏見を持っている方っていると思うんですよ。そんな方に対して「始めたら楽しいよ」ということを伝えたいですね。

(2023年7月22日取材 東京都港区 芝公園で撮影)

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