
「結婚したい気持ちはあるのに動けない」「仮交際が進んでも決められない」
こうした足踏みの裏側に、現状維持バイアスが働いていることがあります。
そこで今回は、ツヴァイ編集部 I が、婚活で現状維持バイアスが出やすい4つのケースと、変化するのが怖い気持ちを行動に変える5つのステップを解説します。
現状維持バイアスとは、選択肢があるにもかかわらず「今のままでいい」を選びやすくなる心理傾向のことです。人は得る喜びより失う痛みを強く感じやすく、未知の幸せより慣れた今を優先しがちだと言われています。
この記事でわかること
・現状維持バイアスの意味
・現状維持バイアスが原因で婚活が消極的になるケース
・現状維持バイアスを放置することのデメリット
・現状維持バイアスを克服する方法
「変わらなきゃ」ではなく、「少しずつ動ける」状態をつくるために、今日からできることを確認していきましょう。
婚活で「動きたいのに動けない」が続くとき、その原因は意志の弱さではなく、脳の仕組みにあるかもしれません。
ここではまず、現状維持バイアスの意味と、なぜ今のままが魅力的に見えてしまうのかをご紹介します。
現状維持バイアス(status quo bias)とは、選択肢がいくつもある状況でも、変化に伴うリスクや不安を避けて「現状を保つ選択」を優先しやすくなる心理のことです。
1988年に経済学者のウィリアム・サミュエルソンとリチャード・ゼックハウザーが意思決定の研究として提唱しました。
ここで大事なのは、「変化が悪い」わけではないという点です。
環境を変えるには時間や労力、傷つくかもしれないリスクが伴います。
その結果、婚活でも動かない理由を次々と見つけてしまうのです。
結論から言うと、人は「得をする可能性」よりも「損をする可能性」に強く反応します。
これが、行動経済学で知られるプロスペクト理論の中心にある考え方のひとつ(損失回避)です。
引用元:Explore JSTOR「Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk」
たとえば婚活でよくあるのが、頭の中でこんな比較が起きることです。
・結婚で得られるもの→安心・パートナー・将来の支え(でもまだ起きていない)
・結婚で失いそうなもの→自由時間・生活のペース・気楽さ(今まさに持っている)
今あるものを失う痛みは、想像以上にリアルに感じるもの。
一方で、未来の幸せはまだ輪郭がぼんやりしていて、確信しにくい。
だから脳は、まだ見ぬ幸せよりも、今の生活の小さな不満を選びがちになります。
これが不確実性の回避です。
ここまで聞くと少し難しそうですが、実はこの心理、婚活に限らず日常のあちこちで発動しているものなんです。
現状維持バイアスは、派手な場面より小さな先延ばしに姿を変えて現れます。
|
行動 |
例 |
|---|---|
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スマホのプラン変更 |
「変えたら安くなるかも」と思って比較まではするのに、最後の申し込みで止まる |
|
サブスクの解約忘れ |
使っていないのに、解約画面を開いた瞬間に「また必要になるかも」が浮かぶ |
|
転職の先延ばし |
今の職場に不満がある。でも新しい環境で失敗するかもしれない。だから「忙しいから今は無理」と先延ばしする理由が増え、現状に留まる選択が強化される |
婚活で起きていることも、本質はこれと同じです。
変化を前にすると、脳が損しない言い訳を量産し、あなたの行動を止めにきます。
婚活で動けない理由は気持ちの弱さではなく、よくある止まり方のパターンです。
現状維持バイアスは、変化そのものを嫌うのではなく、失いそうなもの(自由・安心・自分のペース)を計算して行動を止めます。
ここから、婚活で一歩踏み出せなくなる4つのケースをご紹介します。
コンフォートゾーンとは、心理的に安心できる居心地の良い状態のことです。
婚活で動けない理由の一つに、相手が嫌なのではなく、この快適な状態を失いたくないという心理が働いていることがあります。
仕事終わりに自分のペースで過ごせる夜、週末の推し活、友人との予定。
こうした満たされた日常があるほど、変化はリスクに感じられます。
実際、私もルーティーンとまではいきませんが、心地よく生活するための"自分ルール"がいくつかあります。
だから少しでも予定が狂うと、思った以上にストレスがかかっている気がしました。
婚活は、その「予定が狂うかもしれない」が最初からセットでついてきます。
だから「会うのが面倒」「連絡が億劫」と感じた瞬間、脳は自然にコンフォートゾーンに留まろうとし、現状維持を選んでしまうのです。
このタイプの踏み出せなさは、相手に大きな不満があるわけではないのに起きます。
一人の人に決めることを、無意識に「他の可能性を捨てること」だと感じてしまうからです。
たとえば、仮交際が続いているのに、他の人のプロフィール検索をやめられない。
メッセージが来ても「今返したら交際が進んじゃう気がする」と返事を躊躇するなど。
こうして決めない状態をキープすると、安心する反面、前には進めません。
ここで大事なのは、結婚(または真剣交際)を「一発勝負の決断」だと思わないことです。
過去の恋愛とつい比べてしまうことも、現状維持バイアスによる婚活停滞の一因です。
元彼の優しさ、昔の恋愛のときめき、若い頃のモテていた感覚。
思い出は、時間が経つほど都合よく美化しやすいものです。
この状態になると、今の出会いを減点方式で見てしまいます。
「元彼はもっと気が利いた」「あの頃は連絡がマメだった」。
そうして比較していると、目の前の相手の良さがきちんと見抜けなくなります。
結果として、現状のキープ(過去の安心できる感覚)を正当化し、変化を避ける方向に気持ちが傾いていきます。
婚活がストップする理由は、「結婚したくない」ではなく、単純に始めるまでが重いということも考えられます。
現状維持バイアスは、こういう腰の重さとして現れやすいです。
たとえば、婚活では以下のような内容を一からスタートする必要があります。
・プロフィールを考える
・写真を選ぶ
・メッセージを考える
・日程を調整する
・会って話すなど
やることをリストアップした瞬間に、頭の中で「もう疲れた」が先にきてしまいがちです。
そこで脳は、いちばん安全で、いちばん楽な場所。「それは自宅」という現状に戻ろうとします。
さらに婚活は、ただの作業ではありません。
うまくいく保証がなく、断られるかもしれないし、自分が傷つくかもしれないリスクがつきものです。
だからこそ、挑戦ではなく、傷つく可能性がある場所として見えてしまいます。
婚活で現状維持バイアスが働くのは、ある意味とても自然なことです。
ただ、問題は「そのままにしておくと、何も変えないつもりでも状況は勝手に変わっていく」こと。
ここでは、放置したときに起こりやすいデメリットを詳しく解説します。
現状維持バイアスの怖いところは、「今のままでいい」と思った瞬間に安心してしまうことです。
でも、時間だけは例外で、何もしなくても勝手に進みます。
年齢が1つ増えるのは、誰にとっても同じで、体力や生活環境、人間関係も、少しずつ変わっていきます。
だから本当は、現状維持を選んでいるつもりでも、実際には「変化を先送りにしているだけ」になりやすいのです。
ここで言いたいのは、「急いで結婚しないと手遅れ」ということではありません。
ただ、選択肢が多いタイミングほど、気持ちにも行動にも余裕があり、結果として前に進みやすいということです。
婚活を先延ばしにすると、動き出すためのエネルギーが余計に必要になる場面が増えてしまいます。
現状維持バイアスで婚活を止めてしまうと、いちばん困るのは「今」よりも、むしろ10年後です。
なぜなら、将来的には少なからず、生活を揺らす出来事が起きるからです。
たとえば、以下のようなことが出てくるかもしれません。
・ふとした瞬間に増えていく孤独な気持ち
・友人のライフステージが変わって、気軽に会える相手が減る
・仕事が忙しくなり、休日は回復に使うようになる
もう一つ、避けて通れないのが親のことです。
介護が必要になるタイミングは選べませんし、体力や時間、お金、気持ちの余裕が同時に削られる場面もあります。
このように変わらざるを得ない環境になったとき、「やっぱり誰かと支え合える関係が欲しい」と思っても、スタートを切るハードルは上がりやすくなるでしょう。
ただ、ここでのポイントは「結婚しないと不幸になる」ではありません。
支え合えるパートナーを持つことが、将来のQOLを守り安心につながるケースもあります。
婚活でいちばん尾を引きやすいのは、断られた痛みよりも、実は「やらなかったこと」です。
うまくいかなかった経験は時間とともに回復できますが、始めなかったことは、検証すらできません。
「忙しかったから」「タイミングじゃなかったから」
そのときは正しい判断に見えても、あとからふとした瞬間に、別の問いが残ります。
もしあのとき、もう一度会っていたら?
もし相談して、やり方を変えていたら?
もし怖さを小さくして、一歩だけ踏み出していたら?
現状維持バイアスは、行動しない選択を“賢い判断”に見せるのが上手いので、注意しなくてはなりません。
現状維持バイアスは自分の意志で消せるものではなく、怖さを小さくして少しずつ外していくのがコツです。
ここからは、婚活のハードルを下げて動ける状態を作るための5ステップをご紹介します。
最初にやるべきことは、やみくもに気合いを入れることではなく、「今、現状維持バイアスが働いているかもしれない」と気づくことです。
現状維持バイアスは無意識のうちに出てくるため、自分で気づけないままだと、毎回同じタイミングで行動を制限してしまいます。
もし婚活向けのマッチングアプリを閉じた直後や、お相手からのメッセージに返信しようとして手が止まった瞬間に、心の中でこう言葉を挟んでみてください。
「面倒なのは、相手が嫌だからとは限らない。
環境を変えるのが怖くて、ブレーキがかかっているだけかも」
この一言だけでも、目の前の感情を事実として決めつけにくくなり、落ち着いて次の行動を選びやすくなります。
現状維持バイアスが強いときは、「大きく変わろう」とすると逆に止まりやすくなります。脳が怖がるのは結婚そのものではなく、未知の変化が一気に増えることだからです。
そこで、行動を最小単位に分けてみてください。
プロフィールを整えるだけ
1人にだけ「いいね」するだけ
メッセージは1往復だけ
日程候補を出すだけ
結果よりも、「動けた」という小さな成功を作るのが目的です。
無理せず始めることで、不安が薄れて次の一歩が出やすくなります。
婚活が止まりやすい人ほど、「失敗したくない」「後悔したくない」気持ちが強く、無意識に100点を探してしまいます。
けれど、最初から完璧に見極めようとすると、決めきれずに先延ばしになりやすいものです。
そこで意識したいのが、低めの合格点で動くという考え方。
最初の目標は「結婚相手を決める」ではなく、「お話ししてみるだけ」で十分です。
たとえば合格点は、こんな基準でOKです。
・会話がスムーズに進み、気疲れしすぎない
・変な違和感がない
・次も会ってみたいと思える
100点を探すより、最低ラインを決めて一歩進めるほうが、結果的に相性を見極めやすくなります。
現状維持バイアスが強いとき、頭の中では変わるデメリットばかりが重視されがちです。
だから一度、視点を反対にして、変わらないことで何を失うかを見るようにしてみてください。
これだけで判断のバランスが戻りやすくなります。
やり方は簡単で、次のような問いを立てて答えるだけです。
1年このままだと、困りそうなことは?
3年このままだと、不安になりそうなことは?
10年このままだと、避けたい未来は?
ポイントは自分を追い込むことではなく、「怖さ」を考えることです。
変化への怖さだけが膨らんでいた状態から、冷静に一歩を選べる状態に戻していきます。
現状維持バイアスは、自分の中だけでモンモンと考えているほど強くなりやすいものです。
なぜなら脳は「今は動かないほうが安全」という理由を、もっともらしく作るのが得意だからです。
そこで役に立つのが、第三者の視点です。
友人でも構いませんし、婚活のプロでもOK。
たとえば、迷っている状況をそのまま話してみるだけで、「それって相手がダメなの? それとも予定が崩れるのが怖いだけ?」と、思考のズレを指摘してもらえることがあります。
自分の判断が主観に寄っているときは、第三者の客観の鏡があるとうまく進むことも。
まずは一人で抱え込まず、外の視点を借りてみましょう。
現状維持バイアスが厄介なのは、気合いや努力が足りないからではなく、「一人で向き合うほど抜け出しにくい仕組み」になっている点です。
ここでは、バイアスが外れにくい理由を2つに分けてまとめました。
理由がわかると、「自分を責める」から「対策を選ぶ」へ切り替えやすくなります。
現状維持バイアスがかかるのは、あなたが弱いからではなく、脳が安全を優先するようになっているからです。
しかもこの判断は、意識より先に動きます。
「今日はやめておこう」「まだ決めなくていい」
こうした声が頭の中で聞こえたとき、本人は冷静に考えているつもりでも、実際は安全側に寄せる反応が先に出ていることが多いのです。
一人で考えていると、この反応に気づきにくく、同じ結論に戻りやすくなります。
結果として、行動を止める理由だけが増えていき、「動かない選択」がいちばん正しそうに見えてしまう。
これが、自分一人ではコントロールしにくい大きな理由です。
現状維持バイアスがかかった状態で判断を続けると、自分では冷静なつもりでも、視点が自分の中の安心感だけに偏りやすくなります。
たとえば、以下のような内容です。
・もう少し話してみないとわからない段階でも、「なんとなく違う気がする」と早めに線を引いてしまう
・「今はタイミングが合わない」と、確かめる前に可能性を閉じてしまう
自分一人の感覚だけで決めていると、同じパターンで選択肢を減らし続けてしまうことがあります。
しかも、主観のズレは自分では気づきにくいものです。
「この人は合わない」と感じたとき、それが相性の問題なのか、変化を避けたい心理から来ているのかを、一人で切り分けるのは簡単ではありません。
だからこそ、自分の判断を別の視点から確認できる存在があるかどうかが、婚活の進み方を左右します。
現状維持バイアスは「知って終わり」ではなく、日常の迷いや行動に深く関わる心理です。
ここではよくある質問をまとめました。
自分の状況に近いものから確認してみてください。
A.いちばん簡単なのは、共通点がないかを見ることです。
次の項目にいくつ当てはまるかチェックしてみてください。
・「結婚したい」と思うのに、行動が先延ばしになりやすい
・決め手がないまま、同じ相手とのやり取りが止まりがち
・「忙しい」「疲れた」が続き、出会いの優先順位が下がる
・失うもの(自由・時間・お金)ばかりが気になり、得られるものが想像しにくい
・迷っている間に安心してしまい、結局何も変わらない
1つでも当てはまれば可能性はありますが、特に「止まる理由が毎回似ている」と感じるなら、現状維持バイアスが働いているサインです。
A.まずは、自分の中でこれだけは守りたい自由をはっきりさせてみてください。
それを把握したうえで婚活を進めるだけで、怖さは大きく和らぎます。
たとえば、会う頻度や連絡の時間帯、一人の時間の確保など、自分なりのルールを先に決めておくと、「自由を全部失うかもしれない」という漠然とした不安が具体的な基準に変わります。
そもそも結婚は、自由を捨てるか守るかの二択ではありません。
生活を一緒に設計できる相手を探すことだと捉えると、気持ちが楽になりますよ。
A.どちらも「いつも通り」を選びやすい心理ですが、働く場面と中身が少し違います。
【現状維持バイアス】
選択肢がある中で、変化のリスクを避けて今のままを選びやすい
(例:婚活を先延ばしにする、関係を進める決断を避ける)
【正常性バイアス】
危険や異常事態でも、「大したことない」と過小評価していつも通りだと思い込みやすい(例:災害警報が出ても避難しない)
婚活で問題になりやすいのは前者で、「変わらないほうが安全」と感じて行動が止まる状態です。
対策も、危険への備えというより、怖い気持ちを減らして意思決定しやすい形にすることが中心になります。
現状維持バイアスは、頭で理解できても、いざ行動となると同じところで止まりやすいものです。
だからこそ、迷いを外から整理してくれる第三者の存在が、バイアスを外す近道になります。
現状維持バイアスが厄介なのは、自分の判断が偏っていること自体に気づきにくい点です。
婚活のプロにヒアリングしてもらうと、自分ではなんとなく違うとしか言えなかった感覚が、変化への不安なのか、相手との相性の問題なのかに整理されていきます。
不安やこだわりを言葉にできると、それだけで次の一歩が選びやすくなります。
結婚相談所では、こうしたヒアリングを通じて、判断が偏っている部分を一緒に整えるサポートを行っています。
婚活がつらく感じるのは、うまくいくかどうか以上に、迷ったときに一人で抱え込んでしまうことが原因です。
「この違和感は大事にしたほうがいい?」「もう少し会って確かめるべき?」
こうした判断を、その都度誰かに確認できるだけで、不安の度合いはかなり変わります。
結婚相談所では活動中の迷いをその都度相談できるので、一人で抱え込まずに進められる環境が整っています。
現状維持バイアスが強い人ほど、「合わない相手と無理をする」ことへの抵抗が強い傾向があります。
裏を返せば、「この人となら少しずつ進められそう」と思える相手に出会えれば、行動のハードルは自然と下がるはず。
ツヴァイでは条件だけでなく、考え方や生活の価値観が近い相手とのマッチングを重視しています。
一人で考えていると同じところでつまずきやすいからこそ、まずは相談から始めてみるのも一つの方法です。
婚活で一歩踏み出せないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
変化よりも「今のまま」を選びやすいのが現状維持バイアスです。
だからこそ、まず正体を知り、「自分は今ブレーキがかかっているだけかも」と気づけるようになるだけで、自分の気持ちを扱いやすくなります。
今日からできることは、完璧な答えを探すことではありません。
小さな一歩から始め、合格点で進み、必要なら第三者の視点を借りる。
これだけで、現状維持バイアスを防げます。
ツヴァイでは、迷いや不安をヒアリングし、あなたのペースで婚活を進められるようサポートしています。
迷って当然、怖くて当然です。
現状維持バイアスが働いていても、私たちが状況に合わせたアドバイスをいたしますので安心してください。
ZWEI編集部
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