
「ビッグファイブ理論」は、自分の性格理解に役立つ性格分析モデルです。
自分の性格をよく把握していれば、これまで以上に日常生活をより過ごしやすくなります。
また、この理論の結果を恋愛に活かすこともできます。
この記事では、ツヴァイ編集部Aが「ビッグファイブ理論」の詳細や診断、結果などをご紹介します。
性格や恋愛傾向を知るひとつの手段として活用してみましょう。
この記事は「公認心理師:渡部和樹氏」が監修しています。
「自分は一体どんな性格なんだろう?」「いつも似たような恋愛パターンに陥ってしまうのはなぜ?」のように、 自分自身のことは、わかっているようで意外と分からないもの。
特に婚活やパートナーシップにおいて、自分と相手の性格を知ることは、円滑な関係を築くための第一歩となります。
そこで今、注目されているのが、性格分析モデル「ビッグファイブ理論」。
この「ビッグファイブ理論」は、現代の心理学において代表的な性格理論として知られています。
「〇〇型」と決めつけるのではなく、「各因子のスコアがどの程度高いか、あるいは低いか」というグラデーションで性格を捉えるのがポイントです。
ここでは、その5つの因子を詳しく見ていきましょう。
公認心理師 渡部和樹のコメント
ビッグファイブ理論は1990年代にオレゴン大学のルイス・R・ゴールドバーグらが「ビッグファイブ」という名称で体系化・提唱した、人間の性格を5つの基本的な因子で説明しようとする心理学の理論のことです。
現在に至るまで世界中の研究者によって検証が重ねられており、性格研究の分野でもっとも再現性の高いモデルの一つとして広く認められています。
2000年代にはビッグファイブでは捉えきれない「正直さ-謙虚さ(Honesty-Humility)」という第6の因子が浮かび上がり、HEXACOモデルが提唱されました。
また、一般的に「MBTI診断」として知られる16タイプ分類もビッグファイブの考え方と相関が認められていますが、心理学的な信頼性という点ではビッグファイブのほうが根拠として高い評価です。
外向性は、興味やエネルギーが外部の世界に対してどの程度向いているかを示す指標。
これは、人との交流、社会的な活動、あるいは新しい刺激に対する積極性の度合いを意味します。
この因子の度合いによって、集団の中での振る舞いや、どのようにしてエネルギーを得るかというスタイルが変わります。
開放性は、新しい経験や未知の事柄、あるいは知的な探求に対して、「どれほど新しい経験を受け入れやすいか」を示す指標。
これは想像力の豊かさや、芸術への関心、そして変化を柔軟に受け入れる姿勢と深く関わっています。
物事をどのくらい柔軟に捉えるか、あるいは現実的に捉えるかという傾向を左右します。
誠実性は、物事に対してどれほど真面目に取り組むか、あるいは自分自身をどれほどコントロールできるかという自己管理力の高さを示すもの。
責任感の強さや、計画を立てて実行する力、ルールを尊重する姿勢がこの因子に含まれます。
また、物事を最後までやり遂げる力に大きく関係する要素です。
協調性は、他者に対してどれほど協力的な態度をとるか、あるいは周囲の人々とどのように関わりたいかという社会性の高さを示すもの。
これは、相手に対する思いやり、信頼感、そして和を尊ぶ気持ちの強さを反映します。
人間関係において、「調和を重視するのか」、あるいは「自分の意見を独立して維持するのか」という傾向を決めます。
神経症傾向は、不安や緊張、悲しみといったネガティブな感情に対して、どの程度「敏感」であるかという情緒の安定性を示す指標。
ストレスがかかる場面で心がどのように反応するか、あるいは環境の変化をどの程度強く感じるかといった心の揺れやすさを表すものです。
これは、物事をどのくらい繊細に受け止めるかという敏感さに関わる特性です。
公認心理師 渡部和樹のコメント
恋愛や婚活の場面でも、これらのモデルは実用的な方向性を与えてくれます。
たとえば神経症傾向が高い場合には不安やジェラシーが生じやすい一方、開放性や協調性の高さはパートナーとの相互理解を深める強みになるでしょう。
ただし、いずれの因子も「高ければよい・低ければ悪い」というものではなく、状況や組み合わせによって意味が異なります。
自分の傾向を決めつけるのではなく「気づきのきっかけ」として受け止め、自己理解と相手理解の両輪に活かしていただければと思います。
性格を分析する手法には、大きく分けて「性格特性論」と「性格類型論」という2つのアプローチがあります。
ビッグファイブ理論がどのような仕組みで性格を捉えているのかを理解するために、まずはこの2つの考え方の違いを確認しておきましょう。
性格特性論は、性格をいくつかの「要素(特性)」の組み合わせとして捉えるアプローチ。
ビッグファイブ理論はこの特性論に基づいています。
この考え方では、性格を「〇〇型」と決めつけるのではなく、それぞれの因子がどの程度の強さで備わっているかを測ります。
たとえば、外交的か内向的かという二者択一ではなく、外向性という物差しの上で自分がどの位置にいるのかを数値化してみてください。
これにより、同じ「外交的な人」であっても、その度合いや他の因子との組み合わせによって生まれる、一人ひとりの細かな個性の違いをより細かく理解できます。
人間の多面的で複雑な内面を、多面的に理解できるようになります。
性格類型論は、人をあらかじめ用意されたいくつかの典型的な「タイプ」に当てはめて分類するアプローチ。
たとえば「内向型」や「直感型」、あるいは血液型による分類などがこれに該当します。
この手法のメリットは、性格の全体像を直感的に把握できるところ。
「自分はこのタイプだ」と一言で表現できるため、自己紹介や他者との共通認識を持つときにはわかりやすいです。
一方、タイプとタイプの中間に位置するような曖昧な個性を捉えきれなかったり、個人の微妙な違いを切り捨ててしまったりする側面も…。
ビッグファイブ理論は、あえて「型」にはめない特性論のアプローチを取ることで、統計的な裏付けを持った客観的に性格傾向を捉えやすい特徴があります。
ビッグファイブ理論の5つの因子は、日々の行動だけでなく、パートナーとの接し方や心の距離の縮め方にも大きく関わっています。
自分自身がどのような考え方や感じ方の傾向を持っているのか、チェックリストで確認しましょう。
各項目を読み、自分に当てはまるものがあるか直感的にチェックしてみてください。
【外向性】
◻︎初対面の人と話すのは、緊張するよりワクワクする
◻︎週末は家で過ごすより、外に出るほうが元気が出る
◻︎自分の考えは、頭で抱え込まずに口に出して整理するタイプだ
◻︎イベントやパーティーなど、賑やかな場所にいると気分が高まる
◻︎自分から積極的に話題を提供することが多い
【開放性】
◻︎変化のないルーチンワークよりも、新しい工夫をするのが好きだ
◻︎芸術や抽象的なアイデアについて考えることに興味がある
◻︎慣れ親しんだ店より、入ったことのない店に挑戦したい
◻︎自分の知らない分野の話を聞いたり、未知の情報を調べたりするのが楽しい
◻︎映画や本などは、結末が予想できるものより、想像力をかき立てられるものを好む
【誠実性】
◻︎物事に取り組むときは、事前にしっかり計画を立てる
◻︎期限やルールは、どんなに小さくても守らないと落ち着かない
◻︎整理整頓が得意で、身の回りは常に整っているほうだ
◻︎一度やり始めたことは、途中で投げ出さずに最後までやり遂げる
◻︎ミスを防ぐために、何度も見直しや確認をするタイプだ
【協調性】
◻︎自分の意見を通すよりも、周囲の意見を尊重して円満に進めたい
◻︎困っている人がいると、放っておけずに自分から声をかける
◻︎基本的に人の善意を信じており、あまり疑うことがない
◻︎チームやグループの中で対立が起きそうなときは、間に入って場を和ませようとする
◻︎他人の成功や幸せな出来事を自分のことのように心から喜ぶことができる
【神経症傾向】
◻︎失敗したとき、いつまでも長く悩んでしまうことがある
◻︎予測できない事態が起こると、強い不安を感じやすい
◻︎周囲の視線や、自分がどう思われているかが気になりがちだ
◻︎ちょっとした体調の変化や、周囲の環境(音や光など)に敏感に反応しやすい
◻︎リラックスしようと思っても、つい先の心配事や気になることが頭をよぎってしまう
チェックリストの結果から、あなたの性格の土台となる因子と、それが恋愛においてどのように表れやすいかを解説します。
チェックが多かった項目は、あなたの強みであると同時に、パートナーと向き合うときの傾向として表れやすい特徴です。
初対面を楽しみ、外でエネルギーを充電できるあなたは、恋愛においてもとてもアクティブです。
自分の思いをストレートに言葉にするため、相手に安心感を与え、明るく賑やかな関係を築くことができるでしょう。
もし、一人の時間を大切にするパートナーの場合は、意識的に歩調を合わせることが大切です。
新しい店やアイデアに興味を惹かれるあなたは、パートナーと共に成長し、変化し続ける関係を望みます。
好奇心を刺激し合えるデートを好むため、マンネリを感じさせない新鮮さを感じやすい関係を築きやすいです。
また、伝統や安定を重視する相手とは、お互いの「新しさと安心感」のバランスを尊重し合いましょう。
計画性やルールを重んじるあなたは、約束を破らず、誠実に愛を育みます。
将来を見据えた地に足の着いた交際を好み、家事や金銭面などの現実的な課題も二人で着実に解決していける力を持っています。
一方、相手が自由奔放なタイプだと負担に感じることもあるため、生活スタイルのこだわり具合を共有しておくことがポイント。
相手の意見を尊重し、善意を信じるあなたは、パートナーにとって居心地の良い存在でしょう。
衝突を避け、寄り添う力があるため、大きな喧嘩になりにくく、穏やかな関係を維持することができます。
ただ、相手を優先しすぎて自分を抑え込むこともあるため、本音を少しずつ伝えていくことで、より良好なパートナーシップが築けます。
周囲の視線や不安に敏感なあなたは、相手の細かな変化を察知できる、愛情深い一面を持っています。
何よりも「心が落ち着く居場所」となるような安心して過ごせる関係を重視します。
不安を感じたときは、それを一人で抱え込まずに共有できる相手を選ぶことで、その繊細さは相手を守る優しさへと変わるでしょう。
みなさんは、どんな結果だったでしょうか。
ちなみに筆者Aは、「神経症傾向」でした。
変化に敏感でそれをマイナスに捉え気味だったのですが、「相手の細かな変化を察知できる」とポジティブに捉えることもできることに気がつきました。
何か不安を感じたときに、話を聞いてくれ、「大丈夫だよ」と言ってくれる人がパートナーにふさわしいのかなと個人的に思います。
公認心理師 渡部和樹のコメント
特に注目してほしいのが神経症傾向です。
スコアが高いと「ネガティブな性格」と感じてしまうかもしれませんが、感受性の豊かさや相手の微細な変化に気づける共感力の高さの表れでもあります。
また、ポジティブなイメージを持たれやすい外向性が高いと、関係が安定してくると物足りなさを感じやすい面もあるでしょう。
スコアの高低で自分を評価するのではなく、「自分はこういう傾向がある」と知ることが、自分らしくいられるパートナーを選ぶ羅針盤になります。
自分の性格や恋愛傾向が分かり、次に気になるのは、相性。
ビッグファイブ理論において「相性が良い」とは、単に性格が似ていることだけを指すのではありません。
お互いの因子のバランスを知ることで、支え合ったり、新しい視点を与え合ったりする関係を築くことができます。
ここでは、相性が良い組み合わせをご紹介します。
|
組み合わせ |
特徴 |
|---|---|
|
誠実性 × 誠実性 |
価値観や生活リズムが合いやすく、将来設計もスムーズに進む「安定感抜群」のペア。 |
|
外向性 × 内向性 |
外向的な人が外の刺激を運び、内向的な人が家での安らぎを守る「役割分担」ペア。 |
|
協調性 × 誠実性 |
相手に寄り添う優しさと、物事を着実に進める実行力を合わせ持つ「支え合い」ペア。 |
|
開放性 × 協調性 |
新しいアイデアを提案する人と、それを柔軟に受け入れる人の「クリエイティブ」ペア。 |
公認心理師 渡部和樹のコメント
相性については、「似ているから良い」「違うから良い」という単純な話ではありません。
誠実性の高い者同士は生活リズムが合いやすく安定した関係を築きやすい一方、外向的な人と内向的な人は刺激と安らぎを持ち寄ることで補い合えるでしょう。
どの組み合わせでも、お互いの傾向を言葉にして共有できる関係が、長く満足度の高いパートナーシップを育てます。
「自分はこんなときに不安を感じやすい」と、パートナーや気になる相手に少し打ち明けてみるなどの一言が、心の距離をぐっと縮めてくれるはずです。
ビッグファイブ理論は、自分を特定の型に当てはめるためのものではなく、自分の心の傾向を客観的に見つめるための道しるべ。
5つの因子のバランスを知ることで、これまで無意識にとっていた行動や感情の理由が整理され、自分自身をより深く理解できるようになります。
さらに、この視点は、自分に合うパートナーを探したり、大切な人との関係を深めたりするときの大きな助けにも!
自分と相手の違いを「間違い」ではなく「特性」として捉えることができれば、コミュニケーションを取りやすくなります。
まずはこのビッグファイブ理論を、自分を大切に扱い、他者をより深く尊重するための第一歩として活用してみましょう。
公認心理師 渡部和樹のコメント
ビッグファイブ理論を使って自分の性格を知ることは、とても意味のある試みです。
しかし、一点補足しておきたいのは、この理論はあくまで現時点の自分の傾向であるということです。
性格特性は遺伝的な影響を受けながらも、人生経験や環境によって少しずつ変化していきます。
「自分はこういう性格だから変われない」と決めつけるのではなく、「今の自分はこういう傾向がある」という柔らかな視点で受け取るようにしましょう。
また、自己理解を深めた先で大切にしてほしいのが、相手を変えようとしないという姿勢です。
自分の因子のバランスがわかると、つい相手の傾向を評価したり、自分の価値観を基準にしたりしてしまいがちです。
ビッグファイブが示すのは優劣ではなく、あくまで個性の違い。
相手や自分が「なぜこう動くのか」を理解するための道具として使うことで、批判ではなく共感のまなざしで関係を育てられるようになります。
自分を知り、相手を知り、その違いを面白いと思える関係こそが、長く続くパートナーシップの土台になるはずです。
臨床心理士・公認心理師 渡部和樹
恋愛相談やカップルセラピーに携わっている臨床心理士・公認心理師です。精神科病院・福祉施設での臨床経験を経て2013年に開業し、現在もスクールカウンセラーとして現場に立ちながら、毎年50件以上の恋愛・パートナー関係の相談を受けています。
「なんで気持ちが伝わらないんだろう」と悩む方に、恋愛はテクニックだけでなく、自分や相手の感情理解が土台となるという考えのもと、実践的かつ心理学的な観点から支援を行っています。
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