
「一緒に暮らすことが結婚のゴールじゃないかもしれない」という価値観を持つ人が、近年ゆっくりと増えています。
通い婚とは、結婚後もあえて同居せず、それぞれの暮らしを大切にしながら関係を育てる新しい夫婦のカタチ。
共働きやリモートワークが当たり前になった今、自由を守りながら愛情を深めたいという想いにフィットするとして注目されています。
とはいえ、メリットだけで成り立つわけではありません。
通い婚は距離があるからこそ、価値観のズレやコミュニケーション不足に悩む人も多いのが現実です。
そこで今回は、ツヴァイ編集部 I が、通い婚の意味や選ばれる理由、メリット・デメリット、円満に続けるコツまでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・通い婚とは?
・通い婚を選ぶメリット・デメリット
・通い婚がうまくいく通い夫・通い妻
・通い婚を円満に続けるコツ
「同居が当たり前」とは限らない時代だからこそ、あなたに合ったパートナーシップのカタチを一緒に探していきましょう。
通い婚とは、結婚後も同居せず、それぞれが自分の家を持ちながら行き来して関係を築く夫婦のスタイルです。
古くは平安時代の「妻問婚(つまどいこん)」が起源とされ、夫婦がひとつの家に住むことが一般化する以前は自然な結婚のカタチでもありました。
現代で再び注目されている背景には、共働き世帯の増加やリモートワークの定着、生活の多様化があります。
同居が当たり前という価値観よりも、自分の生活を大切にしながら愛情を育てたいという考えを持つ人が増えたことも大きな理由です。
実際に、日本総合研究所の調査によると、「自分が結婚する場合に通い婚を受け入れられる」と回答した人が19.6%に上りました。
引用元:日本総研「2022若者意識調査」
これは事実婚(28.8%)、婚前契約(24.7%)に次ぐ高さで、特に女性・公立大学生・海外経験のある層で受容度が高いという傾向が明らかになっています。
通い婚は、いまの時代の価値観「自立・自由・多様性」と相性が良い、新しい夫婦のあり方として広がりつつあるのです。
通い婚は、「一緒に暮らすこと=夫婦らしさ」という従来の考え方に縛られず、ふたりにとって心地よい距離感を保ちながら関係を育てられるスタイルです。
とくに、働き方が多様化した今の時代では、生活を大きく変えずに結婚を選べる方法として支持が広がっています。
ここでは、通い婚が選ばれる主なメリットをご紹介します。
通い婚のいちばんの魅力は、自分のリズムを守りながら相手との関係も大切にできるところだと思います。
毎日同じ家にいると、小さな習慣の違いが意外なストレスになることがありますが、距離があることでその摩擦が減りやすいんですよね。
「会う時間を大切にしたい」「自分の生活も守りたい」という気持ちを両方叶えられるのが、通い婚の距離感。
私の周りにも通い婚の人がいますが、無理に合わせなくていいという余裕があるからこそ、相手に優しくなれたり、思いやりが自然と湧きやすくなるという声が多いです。
距離は離れていても、かえって心のつながりが深まりやすい。
通い婚は、そんな不思議なバランスを持つ関係だと言えます。
通い婚は、結婚のために仕事や生活拠点を大きく変える必要がない点が特徴です。
転勤・独立・家業・親の介護など、個々の事情を優先しながら関係を続けられるため、「結婚するとキャリアを失う」という不安を持つ人にとって現実的な選択肢となります。
生活基盤をそのまま維持できることで、環境の変化によるストレスが少なく、将来設計も柔軟に立てやすい点がメリットです。
通い婚は距離がある分、会う時間をお互いに意識して確保する必要があります。
そのため、生活の延長として何となく一緒にいる状態になりにくく、常に初々しさが保たれるという特徴があります。
久しぶりに会うことで会話が弾みやすく、感謝や思いやりの気持ちを言葉にしやすい点も、恋人時代の関係性を長く維持しやすい理由のひとつです。
通い婚では、それぞれが自分の生活空間を持つため、同居によるストレスが生まれにくいという特徴があります。
一人の時間を確保しやすく、仕事・趣味・休息などに集中できる環境を維持できる点が大きなメリットです。
生活リズムやこだわりを無理に合わせる必要がないため、精神的な負担が少なく、日常の心地よさを保ちながら結婚生活を送れるのが通い婚の利点といえます。
通い婚には、自分の生活スタイルを尊重しながら関係を築けるという魅力がありますが、現実的な負担やリスクも存在します。
物理的な距離があるからこそ生まれる課題や、同居夫婦にはない調整の難しさがあるため、メリットとあわせて理解しておくことが大切です。
ここでは、通い婚を検討する際に知っておきたい主なデメリットをまとめます。
通い婚は、夫婦それぞれが自分の住まいを持つため、家賃・光熱費などの固定費が二重で発生します。
さらに、行き来にかかる交通費も積み重なり、同居夫婦と比べて日常のコストが高くなる点は大きなデメリットです。
距離が離れている場合は、移動時間が増えることで生活のゆとりも減りやすく、金銭面だけでなく時間的な負担も大きくなる可能性があります。
通い婚では、ちょっとしたすれ違いがそのまま距離感として表れやすい特徴があります。
会う頻度や連絡のスタイルが少しでも合わないと、気持ちのズレや誤解が起きやすくなるのは避けられません。
実際、LINEの返信が少し遅れるだけで「気持ちが離れているのでは」と不安になり、相手の忙しさを理解しているつもりでもどこかで寂しさが積もっていく…。
そんな感覚が強く出るのは、通い婚ならではだと私は感じます。
顔を合わせていればすぐに解決できることでも、物理的な距離があると時間差で大きな不安に変わることがあり、その扱い方が難しい部分です。
通い婚は、自立した生活を続けやすい一方で、将来的に子どもを望む場合や、親の介護が必要になったときには調整が難しくなる場面があります。
育児や介護は、突発的な対応や日常的なサポートが必要になるため、二拠点生活のままでは負担の偏りが生まれやすいのが現実です。
実際、何かあったときに片方がすぐに動けない状況は、想像以上にストレスに。
「距離があるからこそ助けたいのに動けない」という感覚は、通い婚ならではの葛藤につながりやすいと感じます。
また、子どもの教育方針や生活リズムをどこに寄せるかなど、決めごとが増えるほど、別々の生活拠点を維持することのハードルも高くなるかもしれません。
通い婚はまだ一般的な結婚の形として十分に広まっていないため、家族や友人など周囲から理解を得にくいことも。
「どうして一緒に住まないの?」といった素朴な疑問や、価値観の違いから生まれる偏見に対して、説明する負担を感じるケースも少なくありません。
実際、単に自分たちにとって最適なスタイルを選んでいるだけなのに、外から見える印象によって不必要な心配をかけてしまったり、関係性を誤解されてしまったりという場面もあるでしょう。
こうした説明しなければならない状況が続くと、それ自体がストレスとなりやすいのが現実です。
夫婦としては問題なくても、周囲の価値観が違うことで悩む。
これは通い婚を選ぶうえで意外と見落とされがちな課題です。
通い婚は、魅力と課題の両面を持つ結婚スタイルです。
そのため、「どんな人に合うのか」「どんなタイプだと難しくなるのか」を事前に知っておくことが、後悔しないための大切なポイントになります。
ここでは、通い婚に向いている人の特徴と、選ばないほうがいいケースを具体的に整理していきます。
通い婚と相性が良いのは、次のようなタイプです。
☑️結婚したいけど一人の時間も大切にしたい人
☑️適度な距離感があるほうが安心できる人
☑️相手に過度に依存しない人
☑️連絡頻度にこだわりすぎない人
☑️生活リズムを自分のペースで保ちたい人
☑️転勤・仕事・家業などで住まいを動かしにくい人
☑️ひとつの家に集約しないほうがストレスを感じにくい人
通い婚と相性が良いのは、自分の時間を大切にしたいタイプや、お互いの生活リズムを尊重できる人です。
一緒に暮らすよりも、適度な距離があるほうが心地よく感じる人は、このスタイルに向いています。
また、生活拠点を簡単に変えられない事情がある人(仕事・転勤・家業・親のサポートなど)にも、通い婚は現実的な選択肢に。
連絡の頻度や会うタイミングを柔軟に調整でき、相手に過度な依存をしないタイプは、通い婚が比較的うまく機能しやすい傾向があります。
通い婚が向いていない人は、次のようなタイプです。
☑️寂しさを感じやすい人
☑️相手の行動が気になりやすい人(不安傾向が強い)
☑️連絡が少ないと不満を抱きやすい人
☑️生活リズムを共有したい人
☑️将来的に子どもを望み、早めに同居したい人
☑️突発的なサポートを必要とする事情がある人
☑️距離があることで不信感を抱きやすい人
☑️パートナーと常に同じ空間で過ごしたい人
通い婚は自由度が高い一方で、距離があることで不安が大きくなりやすい関係でもあります。
そのため、寂しがりやの人、相手の行動が気になりやすい人、連絡頻度に敏感なタイプは負担が大きくなりがちです。
また、生活リズムを共有したい人、子どもを望み早めの同居を希望する人にも向きにくい傾向があります。
さらに、病気や介護などで突発的なサポートが必要な状況がある場合や、会えない時間に不信感を抱きやすいタイプは、通い婚だとストレスが溜まりやすくなります。
日常でずっとそばにいる安心感を求める人には、他の結婚スタイルのほうが合いやすいといえるでしょう。
通い婚は、距離があるからこそルールづくりがとても重要になります。
曖昧なまま進めてしまうと、誤解・不安・負担が積み重なりやすく、せっかくの距離感が逆効果になることも。
ここでは、通い婚を無理なく続けるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
通い婚では、ふたりの生活リズムが完全に別々になるため、会うタイミングが曖昧では気持ちの温度差が生まれやすくなります。
「次いつ会えるの?」という確認が何度も必要になると、それだけでストレスにつながることもあるでしょう。
例えば、
・週1回は会う
・平日は電話だけにする
・土曜はどちらかの家で過ごす
など、大まかな頻度を決めておくことで、お互いの予定が立てやすくなり、安心感も生まれます。
会う約束を習慣にしておくことは、物理的な距離を感じにくくするための大切な工夫です。
通い婚は2つの生活拠点を維持するため、家賃や交通費などの負担がどうしても大きくなります。
そのため、お金の分担を曖昧にしたまま始めると、どちらかに負担が偏り、後になって不満が積もりやすいです。
とはいえ、細かく決めすぎる必要はありません。
「交通費は割り勘」「外食は交代で支払う」など、ざっくりとした方針があるだけで安心度はかなり違います。
通い婚は距離があるぶん、見えない負担が感情に影響しやすいので、お金のルールは最初に決めておくほうが関係が安定しやすいと私は思います。
通い婚では、会えない時間が長くなるぶん、連絡の取り方が関係の安定に直結します。
返事のタイミングや連絡頻度が合わないと、不安やすれ違いにつながることは少なくありません。
だからこそ、最初に「毎日一言だけでも連絡する」「忙しい日は既読だけでOK」など、ざっくりしたルールを共有しておくことが大切です。
実際、どれだけ仲が良くても連絡の温度差が続くと気持ちがぶれやすいので、最低限の合意があるだけで安心感が全く違います。
通い婚は距離を前提とした関係だからこそ、コミュニケーションの仕組みを整えておくと長続きしやすいでしょう。
通い婚では、喧嘩や誤解が起きたときに気持ちの整理が難しくなることがあります。
会って話すまでに時間が空いてしまうことで、余計に感情がこじれるケースも少なくありません。
そのため、いざというときに相談できる第三者「友人、家族、または双方が信頼できる人」をあらかじめ決めておくことは大きな助けになります。
冷静な視点を入れるだけで話が整理されやすく、解決までの時間も短くなると私は思います。
通い婚はひとりで抱え込みやすいのが弱点なので、外側のサポートルートを作っておくと関係が安定しやすくなるでしょう。
通い婚は快適な距離感で続けられる一方で、将来の大きなライフイベントにどう向き合うかを早めに話し合っておく必要があります。
例えば、
・老後は同居するのか
・子どもを望むのか
・どのタイミングで生活拠点を一つにするのか
といった長期的なビジョンを共有しておくことで、後々のすれ違いを防ぎやすくなります。
通い婚は今の心地よさに意識が向きやすいぶん、先延ばしにすると大きな不安につながりやすいという面があります。
将来像をざっくりでも共有しておくことが、関係を長期的に安定させる鍵になるでしょう。
通い婚を続けるうえで最も重要なのは、生活や将来に対する価値観が合っているかどうかです。
距離のある関係だからこそ、曖昧なままにしておくと誤解や不安につながりやすく、後悔の原因になることがあります。
ここからは、通い婚でとくにすり合わせておきたいポイントを整理していきます。
同居であれば自然な流れで調整できることも、通い婚では事前にすり合わせないと解決しにくいという弱点があります。
例えば、
・会う頻度
・連絡の取り方
・お金の使い方
・休日の過ごし方
など、生活観が合っていないと、その都度調整が必要になり負担が大きくなることがあります。
距離がある関係ほど、恋愛感情よりも日常生活の相性のほうが持続力に影響するため、生活観の一致が重要になります。
通い婚を前提に関係を築きたい場合、生活スタイルや距離感の価値観が合うかどうかは、最初の段階で確認しておきたい大切なポイントです。
結婚相談所では、通い婚への理解・希望する関係性・将来設計・生活リズムや仕事観などをあらかじめ共有できるため、相性のミスマッチを減らしやすいというメリットがあります。
同居が前提になりがちな一般的な出会いとは違い、「理想とする夫婦のカタチ」を前提に出会えるため、通い婚を望む人にとっては効率的で安心感のある方法といえます。
通い婚は、心地よい距離感と自立した関係を築ける一方で、生活観や将来観が合わないと続けることが難しいスタイルです。
だからこそ、恋愛感情だけでなく価値観の相性を事前に把握しておくことが、後悔しないための大きなポイントになります。
ツヴァイでは、結婚後の生活をイメージしやすい価値観マッチングを用いて、自分に合う相手を見つけられる仕組みを提供しています。
通い婚を考える人にとって、相性を見極めやすい環境が整っているのが強みです。
ツヴァイでは、恋愛観・生活観・家事分担・働き方・将来像など、32項目の価値観をもとに相性をデータによって見つけられます。
実際に、こうした価値観を重視したマッチングは成果にも表れており、ツヴァイの成婚者数は2022年の1,570組から2024年には3,000組へと増加。
前年比145%UP という大きな伸びを記録しています。
※結婚相談所ツヴァイで活動し、2022年成婚退会した人数と、2024年に成婚退会した人数を比較。(ツヴァイ、IBJ会員との成婚に限る。)

「通い婚という距離感を理解してくれる相手がいい」
「生活のペースを尊重し合える人と出会いたい」
そんな希望がある人にとって、価値観を言語化したうえで相手を探せるのは魅力ポイントです。
ライフスタイルの相性を入口にした出会い方ができるため、ミスマッチを減らしやすくなります。
ツヴァイでは、最初の段階で「同居がいい」「通い婚が理想」といった希望を共有できるため、関係性のスタイルそのものを尊重した出会いが可能です。
形式にとらわれず、ふたりにとって心地よい結婚の形を選べるのがツヴァイの特徴。
どんな距離感で暮らしたいかをお互いに理解したうえで関係を始められるため、価値観が合う相手と出会いやすいのが強みです。
\あなたに合う結婚の形を見つけませんか?/
通い婚のように、距離や生活ペースを大切にしたい人こそ、価値観が合う相手との出会いがその後の安心に直結します。
ツヴァイなら、恋愛観・働き方・将来像などをもとに、あなたに合うお相手を客観的なデータで案内してもらえます。
✔ 通い婚や距離感のある関係を理解してくれる人を探したい
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そんな方におすすめです。
まずは無料でマッチング体験を試してみてください。
あなたの理想に近い相手が、意外とすぐに見つかるかもしれません。
通い婚について、もっと深く知りたいという人のために、多くの人が悩んでいる項目をまとめました。
ぜひ参考にしてください。
通い婚は、結婚後も同居せずに互いの家を行き来する夫婦のスタイルのことです。
法律用語ではないため、婚姻届を出しているかどうかで扱いが変わります。
婚姻届を出していない場合は、法律上は夫婦として扱われません。
この場合は一般的に「事実婚(内縁関係)」と呼ばれます。
婚姻届を出している場合は、民法上の法律婚です。
そのうえで別々に暮らしているため、この形式は「別居婚」にあたります。
通い婚は、法律上の区分ではなく暮らし方の名前なので、婚姻届の有無によって「事実婚」または「別居婚」に分類されます。
引用元:民法739条(婚姻の届け出)
通い婚のまま育児を続けるかどうかは、夫婦の状況によって変わります。
どちらの家を拠点にするか、育児の分担、通勤・保育環境、費用負担などをあらかじめ話し合っておくことが大切です。
通い婚だから離婚しやすい、というデータは特にありません。
ただし距離があるぶん、気持ちの変化が見えにくいため、連絡頻度や会うペースなど、コミュニケーションを意識して維持することが関係を安定させるポイントになります。
一般的な出会いでは「通い婚を理解してくれるか」が事前にわかりにくいことがあります。
結婚相談所ならライフスタイルや結婚後の住み方も事前に共有できるため、通い婚に理解がある相手を効率よく探せます。
通い婚は、同居にこだわらず、それぞれの生活や仕事を大切にしながら愛情を育てられる自由度の高い結婚のカタチです。
ただし、同じ結婚でも暮らし方は人によって大きく異なり、心地よい関係を続けるには、恋愛感情だけでなく生活観や将来観の相性が欠かせません。
どんな距離感でいたいのか。
どんな暮らしが自分に合っているのか。
相手はそれをどう受け止めてくれるのか。
ふたりにとって無理のない関係を選ぶためには、自分の価値観を理解し、それを共有できる相手と出会うことが何よりも大切です。
ツヴァイでは、恋愛観・生活リズム・働き方・結婚後のイメージなど、通常の出会いでは確認しにくい部分まで価値観マッチングで見えてきます。
通い婚のような多様な結婚スタイルを望む人にとっても、ミスマッチの少ない出会い方ができます。
まずは、自分の価値観を知るところから始めませんか。
あなたにとって心地よい関係を一緒に探せるはずです。
ZWEI編集部
※2018年3月〜2019年2月の1年間に交際・婚約・結婚を理由に退会届を当社に提出されたお客さま(会員同士・会員外)