奨学金があっても結婚できる?【婚活のプロが解説】伝え方や返済方法、婚活成功のポイント

奨学金があっても結婚できる?【婚活のプロが解説】伝え方や返済方法、婚活成功のポイント

奨学金を返済しながら婚活をしている人のなかには、結婚できるか不安な人もいるでしょう。
奨学金は学びのために借りるとはいえ、借金と受け止める人もいるため「相手に知られたら引かれる?」「黙っておく方法はない?」と思い悩む気持ちはわかります。

結論をお伝えすると、奨学金があっても結婚できます。
ただし、パートナーには、奨学金について正直に話しましょう。
隠し通すことは、一瞬にして信頼関係が崩れる原因になりかねません。

この記事では、ツヴァイ編集部Sが、奨学金を相手に伝えるタイミングや伝え方、結婚後の返済方法について解説します。
ツヴァイのカウンセラーからのアドバイスもご紹介。
記事を参考に誠実な態度を大切にして、良好なパートナーシップを築きましょう。


《目次》

  1. 1.大学生で奨学金を借りている人は半数以上
  2. 2.奨学金が結婚に与える3つの影響
    • 1. ローンの審査に影響が出る場合がある
    • 2. 相手や相手の親族からのプレッシャーがある
    • 3. 結婚後の働けない期間に相手に負担してもらう可能性がある
  3. 3.相手に伝えるタイミングと伝え方は?
    • 結婚を考えたタイミング
    • 家計の話題が出たタイミングで伝える
    • 返済計画を具体的に伝える
    • 自分で返済するという姿勢を見せる
  4. 4.相手に伝えるタイミングのNG
    • 1〜2回目のデートで伝えるのは避ける
    • プロポーズ後・入籍直前は遅すぎる
    • 隠したまま結婚するのは絶対にNG
  5. 5.結婚後の奨学金返済はどうする?
    • 本人が自分の給料から返済する
    • 家計の固定費として計上する
    • ボーナスで一括・繰り上げ返済する
  6. 6.奨学金に関するよくあるQ&A
    • Q. 相手に内緒で完済することは可能?
    • Q. 自分が連帯保証人になることはある?
    • Q. 返済が苦しい時は?
  7. 7.まとめ】奨学金があっても結婚はできる!ただし、正直に伝えることが大切

1.大学生で奨学金を借りている人は半数以上

日本学生支援機構(JASSO)の「令和4年度 学生生活調査」によると、大学学部(昼間部)に通う学生のうち、奨学金を受給している人の割合は55.0%です。
大学生の2人に1人以上が、奨学金を利用して進学しているのが現実です。

奨学金は、単なる借金や浪費ではなく、将来のキャリアや安定した収入を得るための自己投資。
そのため、奨学金があるだけで、マイナス評価につながるわけではありません。

ただし「半数以上の人が借りているのだから、相手もわかってくれるはず」と安心するのは禁物です。
奨学金が一般的な制度だとしても、毎月の家計から一定額の支払いが発生する、負債である点には変わりありません。

これから生活をともにするパートナーにとっては、将来の住宅ローンや子育て費用など、ライフプランに直結する大切な問題です。
だからこそ、事実を隠さず、返済の計画性を誠実に伝えることが重要です。

ツヴァイのカウンセラーに、奨学金を借りている会員にどのようなアドバイスをするのかをヒアリングしました。

✓ツヴァイカウンセラーのコメント

想像ですが、奨学金の返済がある会員は相応にいると思います。
一般的な額(総額400〜500万、月の支払いが1〜3万円のレベル)であれば、毎月の支出として無理なく払える範囲だと思うので、特段プロフィールに記載する必要はないと考えます。

交際が進む中で、お金のやりくりについての会話もしておくことを推奨しているため、月々のやりくりについての会話の中でお伝えしておくと心配が少ないでしょう。

引用元:日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査結果」


2.奨学金が結婚に与える3つの影響

奨学金が結婚に与える3つの影響

2人に1人が利用しているほど浸透した制度とはいえ、結婚を具体的に考える際に、乗り越えるべき壁は存在します。
結婚は、好きという感情だけでは完結しない、生活をともにするための契約でもあるからです。

将来のパートナーと温かい家庭を築くために、奨学金が結婚後の生活に与える影響を見ていきましょう。

1. ローンの審査に影響が出る場合がある

結婚後、マイホームや車の購入など、大きな買い物をする際、奨学金は各種ローンの審査に影響を与えます。
ただし、単独ローンの場合、審査対象になるのは原則申込者本人に関する情報です。

一般的に、金融機関が住宅ローンの審査をする際は「返済負担率」と呼ばれる指標を重視します。
これは、年収に占める「年間の返済額」の割合のこと。
この返済額には、これから組む住宅ローンだけでなく、すでに返済中の奨学金や車のローンなども合算されます。

そのため、奨学金の月々の返済額が大きいと、希望する額の住宅ローンが組めなかったり、審査に通りにくくなったりする可能性があります。

深刻なのは滞納履歴です。
奨学金の返済が一定期間滞ると、個人信用情報機関に登録されます。
一定期間とは、たとえば日本学生支援機構なら、3ヶ月以上と定められています。

わかりやすくいえば、3ヶ月以上奨学金の返済がストップすると、ブラックリストに載るのです。
こうなると、住宅ローンはおろか、クレジットカードの新規作成や、スマートフォンの分割払いまで難しくなる可能性があります。

引用元:日本学生支援機構「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」

2. 相手や相手の親族からのプレッシャーがある

奨学金は、人間関係や心理面にも影響を与えます。
あなたが奨学金は自己投資と前向きに捉えていても、相手や相手のご家族が同じ価値観を持っているとは限りません。

とくに親世代のなかには「奨学金でも借金は借金」「結婚前に完済しておくのが筋」と厳しく見る人もいます。
相手は理解してくれても、相手の親に良い顔をされず、説得し結婚するまでに時間がかかるケースもあるでしょう。

プレッシャーを跳ねのけるには、隠し事をしない誠実さと計画性が重要です。
「いくら借りていて、いつまでにどう返すのか」を明確に説明する準備をしましょう。
曖昧な態度は不信感を生みますが、堂々と返済計画を伝えられると、相手にも相手のご家族にも、堅実な金銭感覚の持ち主だと安心してもらえるはずです。

相手に納得してもらうための伝え方は「相手に伝えるタイミングと伝え方は?」をご確認ください。

奨学金を借りている事実について、婚活で会う相手がどう受け取るのか、ツヴァイのカウンセラーからの回答は以下のとおりです。

✓ツヴァイカウンセラーのコメント

とくに何も感じないケースが多いです。
資金使途が明確な借入であるため、「借入金があるから心配だ」というより、月々のやりくりのイメージが持てるか、を確認するようにしています。

結局は「返済に困っているかどうか」次第だと思います。
安くない料金を支払っている会員同士ではそう影響はないように思いますが、「ほかに固定費があるか心配で確認したい」「(根拠のない印象として)お金に困っていそうな印象を持たれる」くらいでしょうか。


3. 結婚後の働けない期間に相手に負担してもらう可能性がある

結婚後のライフイベントによる家計への影響もあります。

結婚当初は、自分の奨学金は自分の給料から全額返すと決めていても、長い人生、予期せぬ出来事も起こります。
たとえば、妊娠・出産や育児休業、あるいは病気やケガによる休職などで、一時的に収入が減ったり途絶えたりする期間があるかもしれません。

自分で払えないと、毎月の奨学金の返済を、相手にカバーしてもらう必要があります。
だからこそ、自分が一時的に働けなくなった場合の返済方法は、結婚前に相手とすり合わせましょう。

解決策には、お互いの貯金から補填したり、奨学金の減額返還制度や返還期限猶予制度といった救済措置を活用したりする方法があります。
収入が減った時でも無理なく返済を続けられる制度を知っておけば、あなたの精神的な負担の軽減につながるだけでなく、相手への過度な負荷も防げます。

奨学金があるからといって、結婚ができないわけではありません。
3つの影響をしっかり見つめ、二人でどう乗り越えるかを話し合うことは、夫婦として生きる覚悟を決めることでもあるでしょう。


3.相手に伝えるタイミングと伝え方は?

相手に伝えるタイミングと伝え方は?

奨学金があることを、いつどのように伝えるかが一番の悩みかもしれません。
「引かれるかも…」という不安から、打ち明けるのを先延ばしにしたくなる気持ちはわかります。
ですが、パートナーと信頼関係を築くうえで、お金に関するコミュニケーションは避けて通れません。

ここでは、相手に伝えるベストなタイミングと伝え方のコツをご紹介します。

結婚を考えたタイミング

奨学金を打ち明けるのに適したタイミングは、お互いに結婚を意識しはじめた時期。
具体的には、二人で将来の話をするようになった頃、結婚相談所の場合は真剣交際に入った直後などです。

出会ってすぐの段階で重いテーマを打ち明けるのは、相手を身構えさせるリスクがあります。
まだあなたの人柄や価値観を深く知らない状態だと、「奨学金=借金」というマイナスな印象だけで判断されるかもしれません。

お互いに惹かれ合い、この人とずっと一緒にいたいという土台ができた後なら、相手はあなたを総合的に見て奨学金の話を受け止めてくれます。
少し言いにくいことも話し合えるような信頼関係が生まれているのなら、勇気を出して打ち明けるベストなタイミングといえます。

伝えるタイミングについて、ツヴァイのカウンセラーからのアドバイスは以下のとおりです。

✓ツヴァイカウンセラーのコメント

結婚相談所の場合は、真剣交際に入ってからが良いと思います。
心配が多いようであれば、真剣交際の直前あたりでしょうか。

月1〜3万円の支出であれば、毎日カフェのコーヒーを買わないといられない人と同程度の出費であり、心配の種としてはそれほど大きくないように思います。

それ以外の個性や価値観なども総合的に踏まえて判断するのが得策です。
そのため、お互いに距離が縮まっていき、遠慮せずに将来の話が具体的にできる真剣交際のフェーズが良いと思います。


家計の話題が出たタイミングで伝える

真剣交際に入ったからといって、いきなり「実は話があるんだけど…」と切り出すのは重すぎると悩む人も多いでしょう。
そんな時は、将来のライフプランや家計の話題が出たタイミングに乗せるのが効果的です。

たとえば、デート中にこんな話題が出た時がチャンス。

  • ・結婚したらどこに住みたい?

  • ・共働きが良い?それともどちらかが家庭に入る?

  • ・将来の貯金はどうやって管理する?


未来の生活に関する会話のなかで「将来のためにちゃんと話しておきたいんだけど、実は私、大学の奨学金を今も毎月返済していてね…」と切り出してみてください。
唐突感がなく、二人の将来を真剣に考えているからこそ話す誠実さが、相手に伝わりやすくなります。


返済計画を具体的に伝える

打ち明ける時は、奨学金がある事実だけを伝えるのは避けましょう。
相手が不安になるのは、奨学金の返済中という事実よりも「生活が苦しくなるのでは?」という先の見えない不透明さです。

伝える際は「奨学金で学べたおかげで、今の仕事や収入につながっている」と、現在のキャリアとセットで語るのがコツ。
単なる借金ではなく、未来のための自己投資だったと伝えると、相手も前向きに受け止めやすくなります。

相手の不安を取り除くためには、次の3つの数字をセットにして、具体的な返済計画として伝えましょう。

  • ①現在の残債額(例:あと約150万円残っている)

  • ②毎月の返済額(例:毎月15,000円ずつ返している)

  • ③完済予定の時期(例:今のペースだと、35歳で完済予定)


  • さらに、将来のライフイベントの考慮も大切です。
    妊娠・出産や病気などで一時的に働けない期間ができた時、自分の貯金を崩して返すのか、該当の期間だけ相手に負担してもらうのか、対応策まで伝えてみてください。
    結婚後の奨学金の返済方法は「結婚後の奨学金返済はどうする?」で詳しく解説しています。

    言いにくいことだからこそ、率直に話し合える関係性を築くことが、将来の安心にもつながります。


    自分で返済するという姿勢を見せる

    伝え方で一番大切なのが、結婚後も基本的には自分で返済する意思を見せること。
    「奨学金があるから、生活費を多めに払ってほしい」「一緒に返してほしい」と頼られたら、どんなに好きな相手でも結婚をためらう人もいるでしょう。

    もちろん、結婚後に二人で協力して返す選択をするカップルもいます。
    ですが、最初から相手の協力に期待するのではなく、自分の責任で完済する自立した姿勢を見せましょう。

    また、一時的に働けない期間の返済方法を話し合う際は、言い方に注意が必要です。
    「働けなくなった時は、援助してね」といきなりお願いするのは、相手の立場に立った対応とはいえません。

    まずは、

    • ・独身時代の貯金から返済に充てるつもり

    • ・万が一の時は、奨学金の返還猶予制度を使うことも調べてある


    など、自分で解決しようとするスタンスで伝えることが大切です。

    そのうえで「どうしてもやりくりが難しい時は、一時的に家計の負担割合について相談させてほしい」と提案してみましょう。
    基本的には自分で責任を持つスタンスを示すと、相手は安心し、困った時は夫婦で支え合おうという、前向きな気持ちで向き合えるようになります。


    4.相手に伝えるタイミングのNG

    相手に伝えるタイミングのNG

    奨学金を相手に伝えるタイミングは重要です。
    ですが、悩むあまり、関係性を壊す最悪のタイミングを選んでしまうことも。
    せっかく巡り会えた相手とのご縁を大切にするために、避けるべき3つのNGタイミングを見ていきましょう。

    1〜2回目のデートで伝えるのは避ける

    隠し事はしたくないから、最初から正直に話そうという誠実な思いから、出会って間もない1〜2回目のデートで、奨学金を打ち明けようとする人もいます。
    ですが、関係が浅い段階での告白はリスキーです。

    第一印象で人となりを決める人もいます。
    まだお互いの人柄や価値観をよく知らない段階で、奨学金の返済があると伝えると、金銭的な負担を抱えている人というネガティブな印象が強く残ります。

    最初から条件面でマイナスに受け取られる可能性のある要素を見せると、関係が深まる前に距離ができかねません。
    1〜2回目のデートでは、あなたの魅力や温かさを知ってもらうことを優先しましょう。

    プロポーズ後・入籍直前は遅すぎる

    フラれるのが怖い気持ちから、奨学金の話を先延ばしにして、プロポーズの後や両家顔合わせの直前、入籍直前に打ち明けるパターンもNG。
    これらは、破談につながりやすい致命的なタイミングです。

    プロポーズ前後に伝えて相手がショックを受けるのは、奨学金があるからではありません。
    結婚という人生の重大な決断をする直前まで、大切なことが隠されていた事実への不信感です。

    後出しは、相手に騙されたという感情を抱かせます。
    「ほかにも何か隠しているのでは?」と疑われると、これまで築き上げた信頼関係は一瞬で崩れます。
    相手との将来を真剣に考えるなら、後戻りできなくなる前に、勇気を出して打ち明ける誠実さが必要です。

    隠したまま結婚するのは絶対にNG

    「自分の収入だけでこっそり完済すればバレないだろう」と考え、相手に一切伝えずに結婚生活をスタートさせることは、避けたほうが良いでしょう。
    結婚生活において、お金の流れを完全に隠し通すことは難しいです。

    たとえば、将来マイホームを買うために住宅ローンの審査を受ける時、金融機関は個人の信用情報を確認します。
    その際、あなたが奨学金を返済していることや、残債額が夫婦の借り入れ可能額に影響し、結果として必ずパートナーに知られます。
    また、ケガや病気で一時的に働けなくなった場合、返済が滞って督促状が自宅に届き、発覚するケースもあるでしょう。

    結婚後にずっと隠していたとバレた場合、単なるお金の問題ではなく、夫婦の信頼を根本から覆す深刻なトラブルに発展します。

    夫婦の信頼は、一生続くものです。
    一時的な安心のために嘘をつくのではなく、これからの長い人生をともにするパートナーだからこそ、言いにくいことも腹を割って話す。
    そうした姿勢は、二人の絆を強めるきっかけにもなるでしょう。


    5.結婚後の奨学金返済はどうする?

    結婚後の奨学金返済はどうする?

    無事にパートナーに奨学金を伝え、お互いの理解を得て結婚へと進んだら、次に直面するのは、実際の返済をどう家計に組み込むかという現実的な問題です。
    借りた本人が返す姿勢を大切にしながら、夫婦の収入や価値観に合わせてルールを決める必要があります。

    3つの代表的な返済パターンを見ていきましょう。

    本人が自分の給料から返済する

    もっともスタンダードで、夫婦間の金銭トラブルが起こりにくいのが、本人が自分の給料のなかから返済を続ける方法です。

    夫婦で共通の生活費を一定額出し合い、残りの個人の収入から奨学金を引き落とす、いわゆる別財布の要素を取り入れた手段です。
    すべてのお金を一つの口座にまとめる場合でも「毎月のお小遣いは〇万円。そこから奨学金を返す」と決めるケースもあります。

    シミュレーションしてみましょう。

    <共働き夫婦(自分に奨学金がある場合)>

    • ・自分の手取り月収:25万円

    • ・相手の手取り月収:30万円

    • ・奨学金の残債額:150万円

    • ・奨学金の返済額:月額15,000円

    • ・完済までの期間:100ヶ月(8年4ヶ月)


    <家計のやりくり例>

    共通の生活費
    お互いに毎月15万円ずつ、共通の口座(家賃・食費・光熱費・二人の貯金用)に入れる。

    個人の手元に残るお金
    自分は10万円、相手は15万円が手元に残る。

    奨学金の返済
    自分の手元に残った10万円のなかから、奨学金15,000円を返済する。

    最終的に自由に使えるお金
    自分は85,000円、相手は15万円となる。

    完済後のライフプラン
    28歳で結婚した場合、36歳を過ぎた頃(8年4ヶ月後)には月15,000円の負担がなくなり、子どもの教育費やマイホーム資金など、家族のための貯蓄に大きく回せるようになる。

    最大のメリットは、パートナーに、借金を肩代わりさせられている不満や負担を一切与えないこと。
    自立した関係を保ちやすいといえます。

    デメリットは、返済する本人が自由に使えるお金が少なくなるため、趣味の出費が制限されたり、個人の貯金がしづらくなったりする点があります。

    筆者の友人のパートナーは奨学金を返済中ですが、パートナーのお小遣いから払うルールにしているそうです。
    友人は奨学金を借りていなかったので、夫婦とはいえ、共同の貯金から捻出するのは納得できないと言っていました。

    私が友人の立場でも同じように考えていたと思います。
    夫婦でも、結婚する前の資産や負債はそれぞれが責任を持つルールが、もっとも揉めない解決策でしょう。


    家計の固定費として計上する

    奨学金を家賃や保険料と同じ、世帯全体の固定費として考え、夫婦の共有財産から返済する方法もあります。
    夫婦の財布は完全に一つと考えるカップルに合うスタイルです。
    お金の出入りがシンプルになり、家計全体での貯蓄計画が立てやすくなる点で合理的なアプローチです。

    成功させるための重要なポイントは、パートナーが心から納得していること。
    「あなたの奨学金による学びがあったからこそ、今の仕事と世帯収入がある」という「奨学金=今の生活を支える過去の投資」という共通認識を持てるかが重要です。

    話し合いが足りないまま取り入れると、将来ちょっとした喧嘩の際に「一緒に払ってあげているのに!」と不満が爆発するリスクもあるため、慎重に話し合いましょう。

    ボーナスで一括・繰り上げ返済する

    毎月の生活費に余裕を持たせたい場合や、利息が付くタイプの奨学金を借りている場合に検討したいのが、ボーナスを活用した返済です。

    毎月の返済額は最小限に抑え、夏や冬のボーナス月にまとまった金額を返済すれば、支払う利息を減らし、完済までの期間を短縮できます。
    早く返済を終わらせて、マイホーム資金や教育費の貯金に専念したいカップルには効果的な方法です。

    本人が自分の給料から返済する」のシミュレーションに当てはめて考えてみましょう。

    <共働き夫婦(自分に奨学金がある場合)>

    • ・自分の手取り月収:25万円

    • ・相手の手取り月収:30万円

    • ・奨学金の残債額:150万円

    • ・奨学金の返済額:月額15,000円+ボーナス月(夏・冬)各60,000円

    • ・完済までの期間:100ヶ月(8年4ヶ月)が約5年に短縮!


    <家計のやりくり例>

    共通の生活費
    お互いに毎月15万円ずつ、共通の口座(家賃・食費・光熱費・二人の貯金用)に入れる。

    個人の手元に残るお金(毎月)
    自分は10万円、相手は15万円が手元に残る。

    奨学金の返済
    自分の手元に残った10万円のなかから、奨学金15,000円を返済する。

    最終的に自由に使えるお金
    自分は85,000円、相手は15万円となる。

    奨学金の返済(ボーナス月)
    自分の夏・冬のボーナスから、それぞれ60,000円ずつを追加で返済に充てる(年間12万円の増額)。

    完済後のライフプラン
    ボーナス返済を併用すると、完済までの期間が8年4ヶ月から約5年に短縮
    28歳で結婚した場合、33歳を過ぎた頃には月15,000円の負担がなくなり、子どもの教育費やマイホーム資金など、家族のための貯蓄に大きく回せるようになる。

    ※無利子を想定した計算です。
    有利子の場合は利息が加わるため、実際の期間は少し長くなります。
    ですが、ボーナスで繰り上げ返済すると、支払う利息の総額そのものを減らす効果があります。

    ただし、注意点もあります。
    結婚直後は、結婚式や引っ越し、家具家電の購入など、何かと現金が必要になる時期です。
    完済を焦るあまり手元の現金を大きく減らすと、急な出費があった時に家計が厳しくなる恐れがあります。

    生活費の3〜6ヶ月分は、生活防衛資金として手元に残しておきましょう。
    繰り上げ返済をする時はパートナーとしっかり相談し、手元に残すべき安心の貯金額とのバランスを冷静に見極める必要があります。


    6.奨学金に関するよくあるQ&A

    奨学金に関するよくあるQ&A

    最後に、奨学金に関する質問にお答えします。

    Q. 相手に内緒で完済することは可能?

    物理的に不可能ではありませんが、現実的には難しく避けるべきです。

    「心配をかけたくない」「嫌われるのが怖い」という思いから、こっそり完済しようと考える人もいるかもしれません。
    ですが、結婚生活で数百万単位の返済を完全に隠し通すのは、ハードルが高いです。

    奨学金の通知書が自宅に届くリスクがあるうえに、家計を共有していれば、毎月の使途不明金にいずれ不信感を持たれるでしょう。
    さらに、住宅ローンを組む際の信用情報照会で発覚するケースもあります

    もし、パートナーが長年借金を隠していたと知ったら、どう感じますか?
    きっと、金額よりも隠されていたことに深く傷つくはずです。
    一時的な安心のために隠し事をするのではなく、最初から正直に打ち明けるのが、もっとも安全で誠実な選択です。

    Q. 自分が連帯保証人になることはある?

    原則として、結婚したからといって、配偶者が自動的に奨学金の連帯保証人になることはありません。

    「結婚したら、相手にも返済義務がいくのでは?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、法的な観点からいえば心配は不要です。
    結婚前に個人が契約した債務は特有財産とみなされ、配偶者に支払い義務は生じません。

    基本的に奨学金は借りる時点で、親族を連帯保証人に立てるか、保証機関を利用するかを選んで契約します。
    そのため、結婚して名字や住所が変わっても、契約が配偶者に移ったり、新たに保証人を求められたりすることはありません。

    打ち明ける際は、配偶者に法的な支払い義務や、責任がいくことはない事実をセットで伝えると、相手も安心してくれるはずです。

    Q. 返済が苦しい時は?

    決して一人で抱え込まず、まずは貸与機関の救済制度を活用し、パートナーにも状況を共有しましょう。

    結婚生活では、妊娠・出産による休職や病気、会社の業績悪化などで収入が減り、毎月の返済が難しくなる時期がくるかもしれません。
    その際、もっとも避けたいのが、内緒で消費者金融などから借り入れて返済に充てること。
    多重債務に陥るパターンで、家計を破綻させるリスクがあります。

    たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金なら、条件を満たせば次のような救済制度を利用できます。

    • ・額返還制度:毎月の返済額を減らして、返済期間を延長する

    • ・返還期限猶予制度:一定期間、返済を先送りする


    救済制度を知っておくだけで、心の余裕が違うはずです。
    返済が苦しくなりそうな時は滞納する前に窓口へ相談し、パートナーにも「今は制度を使ってピンチを乗り切ろうと思う」と相談してみてください。


    7.まとめ】奨学金があっても結婚はできる!ただし、正直に伝えることが大切

    奨学金があっても結婚は十分に可能です。

    現代の大学生の半数以上が奨学金を利用しており、計画的に返済しながら幸せな結婚生活をスタートさせているカップルもいます。
    奨学金は、あなたが今のキャリアや生活を築くための大切な自己投資だった事実を、まずは自分がしっかりと肯定してあげましょう。

    しかし、みんな借りているから大丈夫だと安易に考えたり、嫌われるのを恐れて隠したりするのは絶対にNGです。
    結婚生活を長続きさせるために大切なのは、経済的な条件の完璧さではなく、話しにくいことでも誠実に共有し、二人で解決策を考えられる信頼関係だから。

    奨学金について腹を割って話すことは、相手が本当に生涯をともにするパートナーとしてふさわしいかを確認し合う、大切なステップでもあるのです。
    お金に関する隠し事のない誠実なコミュニケーションは、夫婦の絆を強めます。
    過去の学びへの投資を誇りに思い、具体的な返済計画を立てて、相手と誠実に向き合いましょう。


    この記事の監修者

    ZWEI編集部


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