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【Chapter1 失恋の癒し方】第2話 「早く結婚したい」私に恋の近道はある?

【Chapter1 失恋の癒し方】第2話 「早く結婚したい」私に恋の近道はある?

恋活サプリWEB小説「幸せになれる恋の近道」

 

「素敵な男性と出会って、幸せになりたい」

「恋愛で遠回りをしないためのヒントが欲しい」

そんな女性の気持ちにやさしく寄り添い、

新しい恋に踏み出すパワーをくれる恋活WEB小説を作家の内藤みかさんが綴ります。

 

Chapter1は「失恋の癒し方」。

 

第1話で、彼氏の二股による失恋に深く傷つき、『恋の近道』というカフェに辿りついたヒロイン。

このカフェで、恋の近道を教わることになる女性に出会った彼女は……

 

■カフェ『恋の近道』のオーナーとの出会い

 

カフェの中は温かく、アロマなのだろうか、とてもいい匂いがした。

私は一番奥の柱の影の席に通された。

観葉植物と木目の家具と白いレース、とても清潔感のある優しい内装が目に入ってくる。

でも、それで癒されるくらいの浅い傷ではなかった。

 

貸してもらったふかふかのタオルで雨に濡れた服や体を拭き、椅子に座ったまま、うつむく。

『恋の近道』という名前のこのカフェは、恋愛相談をしている女の子の話し声で満ちているのかと思ったら、そうでもなかった。

一人で来ている女性が多く、みんなくつろいで静かにお茶をしていた。

 

私をこのカフェに案内してくれた女性は、このカフェのオーナーだと言っていた。

40代くらいだと思う。

でも恋愛の達人のようには見えない。

ごく普通の上品な女性だった。

ただ、包容力のある笑顔は一目見ただけで、魅了された。

 

 

■失恋の心の傷とラベンダーティー

 

恋の達人というと、美魔女のような、派手な女性を想像してしまうけれど、オーナーさんは、そんなことはなかった。

 

どちらかというと優しいママ、みたいな見かけだった。

紺色のカーディガンの下は、グレーのワンピースを着ていて、そんな柔らかい服装で、各テーブルをゆっくり回っている。

 

密やかな話し声なので、なんと言っているかははっきり聞き取れないけれど、彼女らは恋の近況を報告したり相談したりしているようだった。そしてオーナーは「大変ね」とか「よかったわね」などと相槌を打っている。

 

ここはそういうところなのかもしれない。

優しいオーナーに恋の愚痴を聞いてもらうところ。

女性客たちは、オーナーと話すと穏やかな表情になる。

恋の疲れを癒す場所、って、入る時に、オーナーが言っていたかもしれない。

 

運ばれてきたラベンダーティーは、傷がついてヒリヒリしている心にしみていく味だった。

でも、お茶を飲んだくらいじゃ、私の痛みは、消えはしない。

穏やかな顔になんて、なれそうもない。

かなりの痛手を背負っていることを思い知らされて、また落ち込んでしまいそうだった。

 

「どう? 落ち着いた?」

その時、彼女がふわっと私の隣に歩み寄り、顔を覗き込んできた。

 

 

■「早く結婚したい」と言う私に彼女は…

 

「ラベンダーは、心を落ち着かせる作用があるから、しばらくしたらじんわり効いてくると思うわよ」

オーナーの彼女は、名刺をくれた。

そこには「安田みちる」と書かれていた。

 

「あの」

私は早速切り出した。

「ここ、恋愛の近道を教えてくれるんですよね?」

「そうね、それが店名だし、そうあろうと思ってるわ」

「だったら教えてください。私、できるだけ早く結婚したいんです!」

 

みちるさんは、びっくりしたような顔になった。

「今すぐ結婚って……、相手がいないのに?」

「えっ、いないってどうしてわかるんですか!?」

「そりゃ、雨に濡れて泣いて歩いている女性がいたら、恋を失っただろうなって思うわ」

「そっか……そうですよね」

 

私は彼女にかいつまんで話をした。

同じ会社の恋人に別れを切り出されたこと。

彼は、会社の他の女の子を妊娠させたので、責任をとってその子と結婚するということ。

だから私は結婚相手を一刻も早く見つけて、寿退社したいんだということ。

彼を見返すためには、寿退社しかない。

でも、どうしたら結婚相手が見つかるんだろう?

 

みちるさんは私の話を聞いて「大変だったのね」と同情してくれた。

そして、こう言った。

「でもあなたは、結婚相手を見つける前に、することがあるわね」

 

【Chapter1-第3話】に続く

 

 

 

 

 

連載 幸せになれる恋の近道

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    ライタープロフィール

    内藤みか

    ないとう みか

    作家/脚本家/イケメン評論家。山梨県出身。
    『イケメンと恋ができる38のルール』(ベストセラーズ)、『年下オトコ×年上オンナ』(ゴマブックス)など著書80冊以上。
    ラジオドラマ脚本『婚活バスは、ふるさとへ』(YBS)で文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。
    舞台脚本『男おいらん』はマンガ化や小説化も。イケメン電子写真集『Japanese Hot Guys』ではカメラも。
    「内藤みかのイケメンブログ」

    http://ameblo.jp/micanaitoh/

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